雨のなかの女の作品情報・感想・評価

「雨のなかの女」に投稿された感想・評価

天カス

天カスの感想・評価

5.0
タイトで雄弁な過去の映像の挿入の巧さや、鏡の中でのダンス(VHSのトリミングでフルサイズで見れないのが心残り)、燃える家、逃げ出す動物たちでいっぱいの画面、冒頭のピント送りと雨。空の狭いアメリカ映画。

文字通りフランケンシュタインの怪物と化したジェームズ・カーンと幼くて優しすぎるシャーリー・ナイト。
シャーリー・ナイトが、元恋人からも他人からも煙たがられるジェームズ・カーンを放っておけないのは、恐らく自分をそこにみているからで(鏡のシーンは恐らくそういう意味)、ロバート・デュヴァルにもその娘にも自分と自分の過去を見てしまう。遠くに逃げ、他の男と寝ようと旦那や現実から外に向かおうとしても辿り着くのは自分。
「目の下に年齢が出てる」という何気なく出てくるセリフに含まれた消えゆく若さへの焦燥感が上手。
The Rain Peopleの儚さ。

傷ついた人間たちがさらに互いを傷つけ合うのをみるのは非常にしんどい。
最後の銃声はドワイヨンの『ラ・ピラート』を思い出したけどこちらのが15年もはやい。単なるニューシネマ的終わり方に過ぎないとは思うけれど。

この映画はワーナーが製作費を出したらしいのだが、以前読んだスターウォーズに関するルポルタージュ本によれば、当時コッポラとルーカスは現状のハリウッドの映画製作体制について、ボロクソ言い続けていたらしくこの映画へのワーナーの出資は奇跡とも言えるものらしい…。
ルーカスはこの映画には「何でも屋」としてコッポラについて行き、メイキングを撮ったり音声を担当したりしながら、プロの現場を経験し、8年後に作られる(スペースオペラ)の構想を練ったりしていたらしい。この映画の中で突如として「フラッシュゴードン」がセリフに登場するが、いきなりルーカスが画面に出てきた気がして驚いた。
ヒロ

ヒロの感想・評価

3.7
冒頭2〜3分の雨の撮り方で当たりを確信できるゴッドファーザー・シリーズ以前の初期コッポラのロードムービー。こちらが掴みに行くとそれそのものが消えてなくなってしまいそうに繊細で儚い情景の切り取り方と、観る側に配慮した保険というか物語の補強としての過去を振り返る回想ではなく逆にストーリーを加速させていくワンシーンとしての滑らかな回想の挿入、涙を流すと共に溶けて流れてしまうレインピープルたちの切なさ。現状からの逃避行がいつの間にやら原点への回帰に収束していくという不透明な路線変更がとても心地良いし、抱かれに行った女が結局誰にも抱かれないというストーリー自体に信頼が置ける。

2020-50
マリッジブルーの女性の逃避行的、自分探しの旅。
アメリカ西部は女性ひとりで旅するには過酷な場所である。ロードムービーは憧れを抱いて観ることが多いけど、この映画の登場人物の寂しさとやるせなさといったらもう悲しくなっちゃう。
まさに雨の中の人々

感傷的な気分にさせられるフランシス・フォード・コッポラ監督の知られざる初期作品。
フランシス・フォード・コッポラがあの『ゴッド・ファーザー』を撮る前の監督作品。とてもアメリカン・ニューシネマなアプローチをした作品だ。それに加えて非常にインディペンデントらしい即興的な演出、自由なストーリー展開が印象的だ。
シャーリー・ナイトが演じる若妻が恐らく夫からのDVか何かが原因で自分探しの旅(=即ち家出)をする訳だが、妊娠しているにも関わらず男を引っ掛けようとしていたのか、たまたま、大学を追い出されアメリカン・フットボール選手のキラー(ジェームズ・カーン)を拾う訳だが、家出するにも理由があるのだろうけど、そう言う振る舞いにどうも感情移入が難しかったかな。時折、夫にコレクトコールするのだけど、自立性は認められないし、家に帰るか考えあぐねる所なぞ覚悟もない。当時の女性の立場を考えるのが、ここまでがやっとな反抗なのかもしれない。
途中でキラーを目的地まで送り届け別れようとするが、そうも行かない事象が発生する。ここも凄く切ない気分になったね。米国の福祉の弱い所を表現しているのか。
そしてキルゴア中佐が登場。途中でカウボーイハット(騎兵隊ハットではないのが残念だが)をかぶるシーンがありニヤリとさせられる。キルゴア中佐じゃないロバート・デュバル演じる白バイ警官の人物背景もなかなか気の毒で、怒涛のラストになっていく。登場人物の絆や愛情では、どうにもならない非常なラストに呆然とする。これがアメリカン・ニューシネマのテイストだ。
bonbon222

bonbon222の感想・評価

4.0
原題の RAIN PEOPLE の方がこの映画を表していると思う。映画自体はあまり物語だってはいないが詩的な美しさがあって好き。

このレビューはネタバレを含みます

ロバートデュバルかっこいい
そんな役じゃないけど
レインピープルの条件はハンサムだったな
ジェームズカーンが脳に異常があるってことだけど、素直でだいたいはまともに行動できるのに、なぜか必要以上にみんなに疎まれてるようにみえて悲しくなる
女性が離婚もせずにときどき電話したり、なのに他の男と関係持とうとしたり、障害ある彼に優しくしたり突き放したり、なにしたいのかなっておもった
女性には自由がない時代ということだから、いまとは感覚がちがうのかもしれない
もへあ

もへあの感想・評価

3.8
ジェームズ ・カーンの閉じ込められたままやる場のない気持ちが、画面から滲み出て届いてくるようで、なんとも苦しい気持ちになる。そんな彼と、結婚生活から逃げ出そうとするシャーリー・ナイトとの組み合わせが絶妙で面白い。彼女は、母親になることから逃げるために旅に出たが、その旅先で、彼女を母親のように見て追いかける子供のような男に出会ってしまう・・・
抑圧から逃げ出すこと、人生と向き合うこと。生きる上での様々な問題に考えを巡らせさせられる。
犬

犬の感想・評価

3.4
アメフト

専業主婦のナタリーは、漠然とした不安から夫に黙って家を出る
モーテルで1人考えた後、ニューヨークから中西部に向かって旅に出ることを決意するが……

ハリウッドを変えたコッポラ監督が設立した映画会社ゾエトロープの記念すべき1作目

ロードムービー
自分探しの旅

新しい男たち
その出会いを通して

迷いもあり

ラストはなんとも

シャーリー・ナイトが良かったです

コッポラの実話⁉︎

当時は自由がない
思うように映画が撮れない

色々としがらみが多い時代

撮影も変わってる

雨の意味も印象的でした
rain people
世の中には、雨で出来ている人々がいる
我々はみな、レインピープルなんですね。
涙を流すと無くなってしまう。

マタニティブルーの女性のロードムービー

町山智浩オススメ作品
女性の人権運動、中絶、ハリウッドの制作裏、アメリカン・ニューシネマなど背景があったり…
愛だけでは全てを解決することが出来ないんですね…
出だしの感じ、もっと観念的なとりとめのない映画になるのかと思いきや、しっかりストーリーテリングのある面白い映画でした。
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