鶴屋南北の歌舞伎狂言『盟三五大切(かみかけて さんご たいせつ)』をもとに、人間の情念と怨念を壮絶に描いた時代劇ホラー。
【主なキャスト】
中村嘉葎雄(源五兵衛)
三条泰子(小万)
唐十郎(三五郎…
ミニマルなセットデザインと登場人数のなかでじっくりと泥沼を深めてゆく究極の時代劇サイコホラー。
『薔薇の葬列』でも見られた意図的な細かい時系列シャッフルとリピート映像がアヴァンギャルドさを強めつつ…
狂言というフォーマットにおける、セリフの美しさと物語の飢えに戦慄する。溝口健二の映画のような、パリッパリに渇いた無情なストーリーに加え、溝口の映画でも見ない独特な言葉遣いは、どこか耳に心地よいものが…
>>続きを読む鈴木達夫の撮影によって造形された極端な陰影に圧倒され作品。暗闇に沈んだ画面に刃だけが妖しく光り、執念に取り憑かれた人間の存在を浮かび上がらせる。歌舞伎の見得を思わせる構図もあり、舞台的な形式美と映画…
>>続きを読む全体を闇に包んだモノクロの中、嫉妬と屈辱に我を忘れた源五兵衛の太刀を構えた姿は妖のそれで、修羅となり命を刈り取ることに執着した彼の体や表情からは異様な殺気と色気がみなぎっていた。小万を殺った源五兵衛…
>>続きを読む「修羅場」
金と愛のもつれから取り返しのつかない事態へと事が進んでいく作品
芸者を身請けする際の、主人公の妄想と現実の勇ましさの違いや、その差を強調することで、いかに不格好であるかをよく表してい…