とてもとても美しい。
原作を読んだのはもう10年以上前でお話もよく覚えていなかったけど、
三四郎三部作を読んだ時の感覚だけは残ってて、それをちゃんと表現されてると思った。
「僕は蝶々じゃないんだか…
原作者の夏目漱石と同じ帝国大学英文科卒の高等遊民が、日本の外発的で上滑りな開化(鎖国から一足飛びで西洋の近代化にかぶれたため神経衰弱に陥ってる)を憂う。
だが結論として、脱ニート(脱鎖国)――やむ…
「夏目漱石の原作を映画化」
ともなると、古臭くて堅いイメージしかなく、まだ映画を観るのにツタヤでDVDを借りるしか方法がなかった昔から、そのケースを手に取っては置いてを繰り返し、今にまで至ってしまっ…
一言で言うと、親のスネを齧っているニートの不倫劇なのですが…あまりに美しいメロドラマ。
二十数年ぶりに観ましたが、こだわりの構図に、ちょっとシュールな心象風景の描き方が今観ても面白い。梅林茂さんの…
このレビューはネタバレを含みます
【 結ばれぬものは結ばれぬ。逆も然り 】
文学を映像で味わう。
高等遊民の松田優作さんに憧れて。
定職に就かず、妻子も持たない自由な長井(松田優作さん)に終始惹かれる。作中、長井を囲む周囲…
明治の貴族っぽい雰囲気が単純に見てておもしろかった。
あと左右の会話の構図が印象的。
オレンジの色彩が幻想的。
笠智衆さんとの切り返しの低めのアングルも印象に残ってる。
全体的にカメラの動きがス…
ドロドロの純愛。
感情が入っていないような淡々とした台詞回しの中にフッと漏れ出す詩のような愛の言葉。
松田優作と藤谷美和子の本心のぶつけ合いのシークエンスは落ち着いた雰囲気の長回しだがとんでもない緊…