時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!の作品情報・感想・評価

時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!1993年製作の映画)

FARAWAY, SO CLOSE!

製作国:

上映時間:147分

ジャンル:

3.6

「時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!」に投稿された感想・評価

邹启文

邹启文の感想・評価

3.8
良くも悪くもベルリン天使の歌の続変
壁が崩壊した影響をもろに受けてる。
前作と同じ流れを僅か40分でやり遂げてしまうストーリー、いらないコロンボ、でも好きやねん
人類は自由を手に入れると軽佻浮薄になるというのが本作のメッセージなのか、はたまた壁崩壊後のヴェンダースが人類に絶望してしまったのか。
[ある絶望した天使が求めた温もり] 90点

大傑作。いきなり前作『ベルリン天使の詩』の冒頭をカシエルでパクりながら、同作の劇中でカシエルも全く同じことをしていたことに思いを馳せる。そして"金を積まれればどこへでも行く"ことで有名なゴルバチョフまで登場し、壁が崩壊した後のドイツの混乱と、時代を越えて連綿と続く絶望の歴史を紐解いていく。その点、希望的なロマンスだった前作とは打って変わって現実的で陰鬱な話なのだが、一つ一つの描写はコミカルで印象としてはブラックコメディの二次創作という感じだろう。前作の登場人物であるダミエルやマルタン、ピーター・フォークを効果的に登場させる他、ウィレム・デフォー演じる悪魔やナスターシャ・キンスキー演じるカシエルの恋人天使ラファエラなど初登場メンバーもカシエルの地獄行脚に華を添える。

多くの天使が明白な目的を持って人間になっているであろうことはダミエルやピーター・フォークを見れば分かるのだが、カシエルには人間になる明白な理由はなく、"人類を救いたい"というかなり漠然としたものだった。すぐにダミエルとカシエルは再会するが、幸せな家庭を築いてせっせと働くダミエル夫妻に対して、カシエルは人間として天使と同じような行動を続け身を持ち崩していく。彼らの関係性には東西ドイツ出身者の対比が表れている。元は同じ国家だったのに、分断によって経済力の格差が深刻に広がり、再統一してもその差は埋まらないどころか広がる一方で20年以上も不況に苦しむことになる。つまり、元から店を構えていたダミエルは不況を生き延びる西ドイツ市民的な側面があり、家も職も技術も戸籍すら持たず、意図せず"犯罪者"となってしまうカシエルは西ドイツに大量流入した東ドイツ市民と捉えることが出来る。"なぜ皆みたいに善良になれないのだ"と呟く彼の運命はあまりにも過酷だ。

しかし、コミカルさもある。旧友どうしの掛け合いは彼らの仲の良さを象徴するようで微笑ましい。前作よりも刑事コロンボをやってるピーター・フォークは、実際に『刑事コロンボ』を撮りに来るという設定でカシエルの兵器強奪計画に協力するなどクストリッツァばりに荒唐無稽なシーンも用意されている。人間と天使という二つの視点を用意することで、"人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ"という格言を地で行く映画なのだ。

『ベルリン天使の詩』との対称性は予告された通り、人間への絶望を与え、カシエルをラファエラの元へと送り返す。人間は天使たちに求めた光も、周りの人間を照らす光も忘れ去り、寒々しい大団円は大量の兵器を隠し持ったまま当て所ない旅へと切り替わる。こんな悲しい映画があるか。
林

林の感想・評価

3.3

このレビューはネタバレを含みます

教室でずっと外を見てたのところで最高に涙が流れるけど、あんまりそれは言わない方がいいのではという気がする。
ヴィム・ヴェンダース監督作品。
カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。
ブルーノ・ガンツ演じる友人ダミエルが天使から人間となってしまったオットー・ザンダー演じる天使のカシエルは、勝利の天使のモニュメントに座りながら、同じく天使になることを夢見ていたが・・・という話。
『ベルリン・天使の詩』の続編。

天使の時に見える灰色の風景、人間の時に見える色がついた風景、どちらも画が美しい。人間の時の色がついた風景も、青みがかった画面が多くて良かった。空中ブランコからの主観ショット等、単調でない画の切り取り方も良かった。

キャストが豊か。顔面力が高い人が多い。主演のオットー・ザンダーも良かったけれど、堕天使エミット役をしていたウィレム・デフォーの存在感が抜群だった。ブルーノ・ガンツも人間になってから、かなり陽気になっていて笑った。ナスターシャ・キンスキーが天使役なのがピッタリ。

武器を空中ブランコでリレーして運搬したり、フィルムを導火線にして火を点ける等、面白く変なシーンも多かった。
続編は俗っぽくなった感じだけど
まぁ地上に降りたんだから俗っぽくなるかなぁ

ルーリードの歌うwhy can i be good?がよかったなぁ

サントラもってる
コーヒーおごってくれるピーターフォークは出てないけれど
これはこれでなんか愛しいね
miyabi

miyabiの感想・評価

5.0
ベルリン天使の詩に次いで大好きな一本。吐息さえ美しい。ドイツ語の発音が好きなので無条件にジャッジが甘くなってしまう。こう在りたいという宝物のようなシーンが沢山あった。
chisa

chisaの感想・評価

3.2
続編なので、期待してみてしまい
今は見たことを忘れていたけど、
他の出演者の作品を調べていて思いだした。
これはこれで良かったのかな
ベルリン天使の詩より詩的さが薄れいまひとつだったが、同じようなものを続編として作ってもつまらないのでこれはこれで良いのだろう。
今年ベスト候補。ポップでキャッチーな『ベルリン 天使の詩』。クライマックスの地下水路での空中ブランコバケツリレーや、映画のフィルムを導火線がわりに使うアイデアにやられた!
ロケ地も素晴らしく、カット、シーンが変わる毎に喜びがある。
最強!

冒頭でゴルバチョフ(本物)が友情出演してるのには驚いた。ルーリードといい、ヴェンダースの交友関係の広さハンパないな〜
kumi

kumiの感想・評価

3.7
天上に残されたカシエルが
ふとしたアクシデントで人間になってしまう。

上から地上を見下ろしているときや
ダミエルの様子をうかがっていると
良く見えていた景色は、自分にとって
重苦しい現実とうまくいかないことばかりだった。

なんとも切なく哀しい。
それぞれ、自分に合う場所がある。
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