通過することの瑞々しい素描が、人を後にするという運動の根源的な寂しさを浮かび上がらせる。車内を捉えた固定ショットで楽しくやり取りする乗客も、同様に遠ざかる光景と化していく。
それを眺めつづける過酷な…
商業映画のヒットメーカーにして、風景を愛でる自由な独自の作風でファンを今なお魅了する清水宏監督。彼を代表する作品がこの映画で、この一作で清水宏がどんな作家かが理解できる。
1936年という時代にオ…
道行く人にはクラクションを鳴らし、「ありがとう!」と爽やかにあいさつ。会う人からの言伝や買い物もはいはいと引き受けちゃう、やさしい街の人気者、「有りがたうさん」
戦前ののどかな田舎町の風景を眺めて…
これぞロードムービーのはしり。小津、木下に隠れてしまって知名度が低いが良い作品が多いと代官山蔦屋のコンシェルジュの方が仰っていた
当時の厳しい状況のなかでも皮肉とユーモアでどこか暖かい雰囲気、そして…
清水宏監督作品四作目を鑑賞。
川端康成原作。
上原謙先生初主演作で、所謂『天城越え』相乗りバスを舞台にした乗客達との心暖まるロードムービー。
川端文学の基礎、南伊豆 三島から天城峠を越え更に小鍋…
なるほど、確かに初期キアロスタミっぽさを強く感じさせる本作。反復を活かした表現がやけに耳に残るのは後年の小津作品に似ているかもしれない。知名度はそれほど高くないが、これは間違いなく日本映画史に残る傑…
>>続きを読む小路を通る自動車。車外で鳴るクラクション。車内で広がる人間模様。ときたま響く『有りがたう!』がとても心地のよい。
揺れる車。打ち寄せる波。陽射しを浴びた段々畑。揺蕩う煙草のまあるい煙。『有りがたう…