小路を通る自動車。車外で鳴るクラクション。車内で広がる人間模様。ときたま響く『有りがたう!』がとても心地のよい。
揺れる車。打ち寄せる波。陽射しを浴びた段々畑。揺蕩う煙草のまあるい煙。『有りがたう…
街道一番の乗合バスの運転手さんは山道にいる人が道を開けてくれるたびに「有り難う」と言う。そのため、ありがとうさんと呼ばれ、皆んなから慕われている。
仰向けになってタバコを蒸す様は物憂げで色っぽい。
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90点
乗合バスの運転手。
彼は道を譲ってくれる人達全て、なんならニワトリにまで「ありがとーっ!」と礼を言いながら走る名物男前運転手。
だから彼は天城街道の皆から「ありがとうさん」と呼ばれ親しまれ…
小津や溝口のような“絶対的巨匠”とはまた別ベクトルの、邦画の持つ旨味成分がギュッと凝縮されたような傑作。
また、ジム・ジャームッシュの『パターソン』とか、それこそアッバス・キアロスタミの“ジグザグ…
2021.5.4
奇跡のような映画。
未練と頽廃が往き過ぎる。
2020.5.2.
なんという手練れであるか。今さら出会えたことが嬉しい。この画面のすみずみまでの行き届き方!
上原謙の高い乾いた声…
ほのぼの人情ものの佳作。と思って観た1回目。2回目観てみていやいや秀作じゃんと思い、ついでに時代背景も見てみた。制作は1936年。戦前でっせ。しかも戦争突入直前。でこの年の出来事はとみれば…出た二・…
>>続きを読む二度目の鑑賞。一度目は上原謙扮するありがとうさんがただのいい人すぎる人と思って見たけれど、今回はいい人であると同時に腹に一物持つ相当の遊び人と確信しながら見てみるとありがとうさんの色気がダダ漏れまく…
>>続きを読む史上最高の日本映画かもしれない。道の映画。つまりロードのムービーだ。こんなにも美しく、厳しく、せつない日本の道があるだろうか。往き交いの人々の少しの会話から、この時代の人々それぞれの生活様式や人生が…
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