マリア・カザレス、映画の陰影が密かに生命を宿したような女。
美しさにも色々な区別があるけれど、彼女のそれは常に静けさと共にあり、滅びゆく時を予感させる。陶器の仮面のような表情の下では、情念が99.9…
映画特に巨匠と呼ばれる監督が撮った作品は、はからずも出演した俳優の未来を占っていることがままある。フランコ将軍に敗れフランスに逃れた元スペイン人民戦線首相の娘であるマリア・カザレスが主役をつとめた本…
>>続きを読むレビュー2000本目はこの作品に決めてた
ついにロベール・ブレッソン全制覇
上流階級の婦人が主人公なだけでなく台詞をジャン・コクトーが担当したこともあってか古風でロマンチックに仕上がっている
フレー…
ブレッソンの作品にしては普通のメロドラマだけれど、好きだった男と惰性で別れた女性が壮絶な復讐方法で報復しようとする点が他のドラマにはない面白さがあった。
ブレッソン監督の演出はまだ手探りの状態とい…
ブレッソンの長編2作目。
この時期はまだ職業俳優を使っているうえ、以降のブレッソン映画では徹底的に削ぎ落とされていくキャラクターの情念がしっかりと刻まれている。その意味では「普通の映画」であり、ブレ…
ロベール・ブレッソンが撮影した貴婦人の愛の復讐の映画。
上流階級の激しい恋愛と華やかな生活を描いて、ある意味で当時よくあるテーマの映画だ。「プライト」と「名誉」は如何に重要視される当時の階級関係の批…