このレビューはネタバレを含みます
結構な、結構なミュージカル映画。映画という媒体自体がはらむ虚と実との狭間のあわいの最中で、歴史的な死者と生者とが転移する。鮮烈な物象の一音、人間の一声の前には真偽も善悪も美醜も瞬間沈黙を余儀なくされ…
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過去現在の行き来がワンカットで収まってて凄い。
中身で言えることはいくらでもあるがラストの死体を埋めたのは皮肉だろうか。臭い歴史なんて掘り起こすのが間違いでずっと埋めておけば良い。
赤旗ボート…
雪山で見つかった何十年前に亡くなったはずなのに昨日倒れたかのような死者が、第二次世界大戦後のギリシャの複雑な歴史を紡ぎその狭間で消された人間たちの声を現代に届けるという映画でしかなし得ないマジックに…
>>続きを読むギリシャ近代史の予習が必要でした。今まで観たテオ・アンゲロプロスの後期作品は叙情的なため、予習しなくても感覚的に理解できて、鑑賞後に歴史を確認することはありましたが、これは近代史そのものを描いていて…
>>続きを読むマジックリアリズム。
1976年の大晦日。
狩りを楽しもうとホテルに集まった6人は雪山で死体を見つける。
その死体は、1949年に終わった内戦で死んだゲリラだった。
しかし、その…
鑑賞難易度バカ高かったけど傑作としか言えん。
平穏な”現在”を脅かす”過去”の死体
禍々しい象徴が呼び覚ますのはギリシャの惨たらしい歴史
現実と幻想の入り混じる空間を彷徨いながら愉悦と悲劇、そして人…
「忘れることは許さない」*****
OI KYNIGOI(英語題:THE HUNTERS、ギリシャ=独=仏)1977年。
1976年、大晦日。山脈を臨むギリシャの雪原。青白い曇天の光の中…
アンゲロプロス四本目。
初期作品なのでブルジョア叩きに全力を注いでいる感あり。
なので、右をずいぶん叩くが、左には欺瞞がないのか?と言う中期作品に見られるバランスを意識した厭“政”感はあまり観られな…