デルス・ウザーラの作品情報・感想・評価

「デルス・ウザーラ」に投稿された感想・評価

あにま

あにまの感想・評価

3.7
192作品目。レビュー1022作品目。
『デルス・ウザーラ』
 監督:黒澤明
 主演:コーリー・ソローミン
 興業収入:未記載
 製作費:$4.000.000
ロシア人探検家のアルセーニエフは、当時ロシアにとって地図上の空白地帯であったシホテ・アリン地方の地図製作の命令を、政府から受けて探検隊を率いることとなった。先住民ゴリド族の猟師デルス・ウザーラが、ガイドとして彼らに同行することとなる。シベリアの広大な風景を背景に2人の交流を描く…。

1923年に『デルス・ウザラ』で出版されたロシア人探検家による実話記録に基づく作品。
現代人では想像のつかない、自然人の生き様に尊敬。
メル

メルの感想・評価

4.5
ロシアの地質学者ウラジーミル・アルセーニエフ原作による実話。

彼はシベリアのウズリ地方の調査に行き、原住民であるゴリド人のデルス・ウザーラに出会う。
狩猟を生業として森で生きているデルスは次の日から調査団の案内人として行動を共にする。

どの国でも先住民は自然と共に生きている。
そこに押し寄せる開拓者や入植者によって先住民は追いやられ絶滅していく。それは自然な成り行きなのかも知れないが。

初めてアルセーニエフと会った時デルスは言う「ロシア人が入って来て森の動物を殺してしまうので猟が上手くいかない」と。

国家の命令で未開の地を開拓する為に入って来た調査隊に対し、デルスは生活のための土地を奪われる側の人間なのだ。

デルスは家族全てを天然痘で亡くしているが、多分それも入植者が持ち込んだ病気だろう。

火と水と風の威力を馬鹿にしてはいけないとデルスが言う様に、ロシアの大自然の中で生きる彼の知恵は驚くべきものだった。 
デルスに命を救われたアルセーニエフ隊長は彼に厚い信頼を寄せる様になる。
最後の最後まで隊長がデルスを尊重しているのも素晴らしかった。

これはロシア文学好きの黒澤明だからこそ両者が魅力的に描かれているのかも知れない。

デルス役のマクシム・ムングスが黒澤明の誕生日に向けたビデオメッセージの中で、東京、大阪、京都に行ったことを楽しそうに話して日本人スタッフの名前も呼びかけていました。勿論今は2人とも天国ですが、とても微笑ましいビデオメッセージでした。

そして実物のデルス・ウザーラは映画の中よりは少し細身でしたが、正に自然の中に生きる男の様でした。

漫画家ヤマザキマリさんは息子の名前にデルスと付けた。多分デルス・ウザーラから取っている。
okimee

okimeeの感想・評価

4.0
デルスって、、いま読んでいるヤマザキマリの息子について書いた本の、まさしくその人か。(息子の名前がデルス)

冒頭で悲しげに、デルスの家族はみな天然痘で死んだ、というが、天然痘を持ってきたのは誰なのか..
真っ赤に燃える太陽を指さし「あれ一番偉い人 あの人死ぬと みんな死ぬ」、月を指さし「あの人二番目に偉い人」(このシルエットのカットは信じられないくらい素晴らしい。太陽と月を大きく同時にとらえて、赤い画面の中に2人のシルエット)
自然に神が宿っている。
アイヌや琉球民族、さらには世界中の極地に生きている民族のように、自然と一緒に感謝して智慧を蓄えて生きている。

カニガ(精霊)が別の虎を寄越すことを恐れて不機嫌になるのは人間ぽくて安心する。


冒険記、図書館予約した。
春

春の感想・評価

3.9
マンガ『ゴールデンカムイ』の大ファンであるシネ友ちゃん✨から勧められて視聴。

今日は『ゴールデンカムイ』の最終回発売日🌟だそうで(Gカムイは未読‥貸していただく予定😊)
世界観が似ていると話題だそうです。

サムネイルは暑い😵感じですが
私が観たDVD パッケージはもっと静かなイイ感じでした‥
1902年から始まるシベリアを舞台にした物語
黒澤明監督作品1975年(ロシア日本合作)
実話ベース

地図制作のためシベリアに地質調査に入った探検隊は予想を超える厳しい自然に圧倒されるが
現地民族デルス・ウザーラとの出会いに何度も窮地を助けられる。

ウザーラさんがホントに愛おしい(毒を全て抜いたソンガンホさん似)
本当に大自然に畏敬の念を持ち、身も心も共に生き暮らすとは、こういう事なんだなぁと‥
アイヌ民族の精神とすごく近いものがあると思いました。
吹雪の湖で遭難した2人が葦を集めてテントを作るシーンが印象的



隊長ウラジミールとの友情も温かいものです
が、やはり文明を突き進む者と自然を信仰して生きるものとは一戦を引かなければいけないもの。とラストは本当に心が痛みました😭





関係ないけど💦
ゴールデンカムイは実写化が決まったらしく‥シネ友イヤって泣いてる😭
✋STOP実写化❗️マンガ実写化はもうやめた方が良いんじゃない??
一人旅

一人旅の感想・評価

4.0
第48回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。初めて黒澤映画を観た。シベリアの探検隊が出会った一人の男デルス・ウザーラ。デルスの土地勘や知恵を借りて探検を進める・・・。デルスの知恵が凄い。吹雪の中、探検隊長と遭難してしまう場面でも、草木を大量に集め簡易的なテントを作ってしまう。そしてデルスの野生の勘、これもまた神懸かり。トラが近くに潜伏していると見抜き、危険を予め取り除くことができる。文明人=探検隊、非文明人=デルス・ウザーラであるが、デルスは自然と一体化しているから自然人とも思える。
ウニbonz

ウニbonzの感想・評価

4.1
凍った大地にあの日の祖父を想い
配給は黒パンが多く
時間をかけて噛み締める硬さ
掘れない大地にツルハシを刺し
砕く日々を
この映画にはその一端が見え隠れする
人の暖かさも然り

ウニのポエム


(生きる知恵と老いと教養の大切さが詰まった作品でした→狩猟民族の強さを感じられる→生きる)
黒澤明監督作品のソ連映画。このご時世の中、ロシアのこの作品の存在を思い出し、視聴。
探検家アルセーニエフの探検記に書かれていたゴリド人猟師デルスウザーラに焦点を当てた作品。
海外撮影とあって、広大なロシアの自然や土地を美しくカメラに収めている。
視聴するうちに、自然に敬意を表し、それでいて驕りのないデルスの人柄に惹かれていく。
山で生きてきた男の苦悩故の悲しき最後には思わずため息が出てくる。
Cisaraghi

Cisaraghiの感想・評価

5.0
ン十年前、初めての黒澤明はこの映画だった。高名なのは知っていたけれど、この映画を観たことで黒澤明は私にとって全幅の信頼が置ける大好きな映画監督になった。そして、ロシア(当時はソ連)の沿海州地方に大いなるロマンを感じるようになった。

今回二度目の視聴だが、幻滅させられる部分はなく、今観ても素晴らしい映画だったことが嬉しい。実話に基づく話なので、文明から離れてタイガで自然と共生するデルスの生きるための知恵が、自然の理にかなっていて実用的。昔観た時は、当時走りだったエコロジー的な考え方が背後にあるように思った。

カピタン!とデルスが一緒に写った数々の写真が何とも言えず微笑ましい。細かい部分はほとんど忘れていたので、デルスゥー!という耳に残る哀切な呼び声は、こんなところで使われていたのかなど、思っていたのと違う点もあった。カピタンは、デルス・ウザーラではなくデルス・ウザラと呼んでいた。

日本人監督の映画ながら、ロシア人の素朴な温かさ、大自然の厳しさ美しさが描かれているロシア映画でもあるけれど、今回、デルスが醸す哀しみは、『東京物語』の笠智衆に通じるものがあるように感じた。

思い入れの深さで5点満点。

カピタンことアルセーニエフの著作も読んでみたい。
上旬

上旬の感想・評価

3.8
【第48回アカデミー賞 外国語映画賞受賞】
黒澤明がソ連で撮った作品で、実話の映画化。ひたすら森でサバイバルするだけの話なのになぜこんなに面白く撮れるのか。黒澤明はやはりスゴい。

当初は三船にデルスを演じさせる予定だったというが、今となってはこの人選で大正解でしょう!実際の写真と比べてもそっくり!

黒澤明ならではのダイナミズムと高い芸術性が伴い、かつエンターテイメント性も持ち合わせている。

冬のロシアも夏のロシアも美しく過酷に切り取った撮影や演出は素晴らしいし、デルスの自然との共鳴を視覚的に分からせる技術はスゴい。

たいていこういう映画って先住民をバカにしたり、途中で足を引っ張る人物が出てきがちだけど、本作はそれがないのがいい。ストレスフリー。隊長を含め一度デルスの高度な自然との適応性を目にすると「この人すごい…!」となる。

デルスの末路は少し哀しく、隊長の後悔や落胆も切ない。

海外に行って完全外国語でこんなに堂々とした作品をつくれるんだからやっぱり黒澤明って凄かったんだなと再確認した。
ひと

ひとの感想・評価

4.0
デルスにとっては水も火も動物もすべて人という考えがとても素晴らしいし、そういう心を持っていたいと思った。
自然を敬える心を持っているデルス。今の社会に欠けていることのような気がして胸に突き刺さった。
デルスから学べることが沢山ある作品。
とっても深い。一度見ただけでは良さがわからない気がする。
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