米軍が最も恐れた男 その名は、カメジローの作品情報・感想・評価 - 2ページ目

米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー2017年製作の映画)

上映日:2017年08月26日

製作国:

上映時間:107分

3.9

あらすじ

ナレーション

「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」に投稿された感想・評価

Shiho

Shihoの感想・評価

4.0
沖縄と言えば観光地としての青い空蒼い海がまず最初に思い浮かぶかもしれない。しかし戦時中から戦後、現在もなお沖縄が抱える壮絶な事実について日本人として知っておく必要がある。リゾート地としての沖縄という認識ではあまりにも浅はか。本土に住む人間は肌で感じる感触がないからこそ特に関心を払わなければならない。沖縄県民が声を上げて「NO」を叫ぶ米軍基地の価値は0であり誰も望んでいないその存在を押し付け続ける日本政府のやっていることは強奪 差別行為そのものだ。
 権力は必ず腐敗する。民主主義が保たれるためには政治権力の交代が必須である。民衆は強権に確執を醸すことを忘れてはならない。
 しかし強権は屡々警察その他の暴力装置を用いて反権力の人々を弾圧する。時に名声を貶め、時に拘束して拷問する。強権に対峙し声を上げて反対するためには、死をも覚悟した上でなければならなかった。
 沖縄における米軍は、暴力装置そのものである。戦後間もなくから現在に至るまで、無辜の沖縄の人々を無残に殺してきた。多くの女性や子供が海兵隊に強姦され暴行されている。
 圧倒的な暴力に対して、反対の声を上げることは勇気のいることだ。夜の闇に紛れて米兵を暗殺する方がまだ簡単かもしれない。衆人の見守る中で正々堂々と米軍を否定する亀次郎は、沖縄人の勇気の象徴であり、拠るべき砦であった。
 亀次郎の強さは暴力をものともせず主張すべきことを主張する精神力にある。明治以来の富国強兵のパラダイムの中で育った彼にとって、ポツダム宣言の次の文言は衝撃的であった。

 宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ

 民主主義を知らなかった人間にとって、何を信じても何を考えてもいい、何を言っても書いてもいい、人間にはその権利があるという考え方は、新鮮そのものだ。そこには自由と人権がある。暴力に屈せず、暴力によることなく、自由と人権を手に入れる。スパルタカスの昔から人間に根源的に宿る思いだ。ポツダム宣言の文言に触れた亀次郎の感動は、現在の我々も共有する感動である。
 国家主義に負けず、組織の大義名分に負けず、友達グループの掟にも負けず、自由と人権を主張しなければならない。友達から無視されても、村八分になっても、会社を馘になっても、逮捕され絞首台に向かうことになっても、なお主張しなければならないのだ。
 亀次郎は沖縄の自由と人権を死ぬまで主張し続ける本物の強さを持っていた。暴力が彼を拘束し貶めても屈することなく立ち上がり続けた。我々も同じ強さを持つことができるだろうか。特定秘密保護法と共謀罪が自由と人権を封じようとしている現在、亀次郎が生きていたらどう行動するだろうか。
#twcn #cinemactif

沖縄の人の団結力は一体どこから来ているだろうといつも思っていたが、まさか一人の人物の影響とは思わなかった。
カメジローさんの演説を生で聴いてみたかったと思った。
映画の中のカメジローさんが友人のペップさんと重なった。
信念の継承…。

2018年44本目
「こんな人物がいたのか」
「沖縄返還までにこんなことがあったのか」
歴史を学べるドキュメンタリーを劇場鑑賞。1週間のみの上映とあって満員御礼だった。それに何これ めっちゃ年齢層高いしー 笑

ブレない男、瀬長亀次郎。
国会での佐藤栄作首相との質疑応答シーンの素晴らしさ。
自分が今の“沖縄の闘い”を知らず知らず傍観していることに気づかされる。
ただTV局製作なので分かりやすい作りではあったけれど、映画としての魅力は正直どうかな と思いました。
sci

sciの感想・評価

3.8
沖縄の戦中、戦後の歴史って考えてみれば学校で教わってない。
アメリカ軍による占領、は占領ではなく侵略だった。支配と闘う瀬長亀次郎と沖縄の人々。民衆は亀次郎を熱狂的に支持し、亀次郎は民衆の力を信じた。
亀次郎の日記の朗読は大杉蓮さん。力強い。

当たり前と言えばそうだが、証言をする人が皆かなりご高齢で、そのことに軽い衝撃。

監督の佐古さんは、元TBSのキャスターだった方。JNNが持つ様々な映像や資料が活用されている作品。

ヒーローである亀次郎の描き方がやや平板的。奥さんが同士であるということ、奥さん含め周りで一緒に闘った人の描写があれば厚みがあったか。
できれば亀次郎の演説の音声も取り入れて欲しかった。

またナレーションの言葉が多いドキュメンタリー、自分は疲れてしまうということを再認識。
mitsukuni

mitsukuniの感想・評価

4.5
本土の犠牲になり
本土から切り離された沖縄
そんな沖縄を愛し
ガジュマルの木のように
台風や荒波がきても地に根を張り
逞しく生きる それが瀬長亀次郎さんでした。
仲間達がアメリカへひるがえる中
何故 亀次郎は米軍のいいなりにはならなかったのか

アメリカが最も恐れた男とは?

演説をすれば
毎回聴衆は何万人となり団結し
戦後のアメリカの圧政に立ち上がり
僅か11ヶ月那覇市を率いた男

そんな瀬長亀次郎さんの
ドキュメンタリーフィルム

見応え充分な作品です

こんな風に
私服を肥やすのではなく
国を本当に憂い闘える政治家はいないものか?と思います
さすがTBSの作品。ニュース映像構成もののため、強烈な説得力があり興味深かった。
abemathy

abemathyの感想・評価

4.0
皆でカチャーシーを踊る姿に涙が出た。そういうことだったのね。
 
 米国が最も恐れた男 その名はカメジロー
 
 僕らは、まあるい、少し楕円の球の形をしている地球に住んでいる。その地球は、ほとんどが、海水に覆われていて、僕らは海の中に住むことが出来ない。わずかな陸地に生息し、地域や地形、言語、習慣、宗教、思想などの違いから、国家というグループを形成していて、その国家間で利権や主張等を巡り、交渉をする。
 そして、交渉が決裂すると戦争になる場合がある。

 第二次世界大戦終戦までは、「武力により他国を占領する事」が当然のように行われていたように思う。現在も内紛や戦争に巻き込まれている人たちに心が痛むが、第二次世界大戦後は、武力による支配は落ち着き、現在の世界大戦は、ビジネスによる世界の支配と変貌を遂げつつある。「支配」の語感は良くないが、ビジネスによる競争は努力が実ったものが勝ち、努力すら許されない状況にいる方でなければ、健全とも考えられる。
 
 が、中国は違う。

 中国は、法による秩序の維持を無視する。フィリピンとの領土問題で、国連海洋条約に基づく仲裁裁判の判決に従わない。仲裁裁判所が、「そこはフィリピンの領土です。中国のものではないです」と判決しても、無視し、資材を持ち込み、滑走路を建設する。
 なぜなら、南シナ海には、海底資源が豊富と言われ、海底までが深く、中国の潜水艦は、アメリカに気づかれずに侵攻しやすいからだ。

 中国は、日本の隣国です。
 沖縄は南シナ海にあります。

 沖縄にアメリカ軍基地がなければ、中国は、第二次世界大戦後も戦争を始めたかもしれない。

 だからといって、沖縄の犠牲は、必然ではありません。絶対に必要のないものです。
 
 作品中の時代から現在も続く沖縄のアメリカ兵の犯罪は、本当に酷い。被害者が小学生の少女と聞けば、怒りが込み上げてくる。アメリカ軍が、犯罪者兵士を渡さないというのは本当に汚い。アメリカ軍が犯罪者を隠蔽し、守る限り、他国でアメリカ兵の犯罪者は減ることはないと思う。
 アメリカ兵の一人ひとりが、倫理観を持って生きて欲しい。

 僕は、アメリカ軍基地は、東京のど真ん中にあるべきと考えています。日本の経済にどのような影響があるか分かりませんが、都会の人の多さは、犯罪に抑止力を持つように思います。僕にアメリカ軍基地問題の正しい答えは出せません。沖縄県民は、安保や自衛をどのように考えて、現時点アジアでの抑止力となるアメリカ軍基地は、どこにあるべきと考えるのだろうと思います。
 
 沖縄の方は、僕のこのレビューを読んで嫌な気持ちになったりするのかな。そうであれば、申し訳ないと感じるけど、「カメジロー」を観て、僕なりに真剣に考えて書きました。
 日本で平和に暮らすうえで、沖縄の抱える問題に触れずにレビューする事は、卑怯に感じました。
 
 女性の犠牲者、国家権力という側面で観るとスリービルボードと同じテーマを含みます。スリービルボードは映画で、アメリカの話しで、どこか遠くに感じていたけど、この「カメジロー」は、今僕が住んでいる日本の現在も続く事実です。感じ入り方が全く違いました。
 ただただ沖縄県民は犠牲でしかないと感じました。
 
 不適切かもしれないけど、映画としてのレビューです。ドキュメント映画としては、「カメジロー」は「不都合な真実2」に進行の見せ方が劣ります。制作の動機や所感をナレーション入れて、臨場感を強くする方法もあったのではないでしょうか。もちろん、「不都合2」のアル・ゴア氏は、現存の人で、映画になる事を想定して、カメラを回し、発言もしたりもするだろうけど。

 日本の平和は、現在も続く沖縄の犠牲の上に成り立っていると言えます。それを学べる映画です。日本の平和に感謝するなら、観るべきで1本です。スリービルボードと合わせて観ると面白いかもしれません。
 
 最後に。瀬長亀次郎さんの印象は、観る前と観た後では、まったく違います。前情報のヒゲの見てくれや表情から、怒れる指導者でしたが、作品を見終えると、カメジローは、真っ直ぐに生きる爽やかな青年という印象に変わりました。

 この映画を作った皆様へ
 ありがとうございました。
 心から感謝しましす。

 ★★★★★
 
tto

ttoの感想・評価

4.0
監督曰く「沖縄の戦後史を考える」ために製作したドキュメンタリー。

正義感が強く熱血漢のカメジローに惹きつけられ人々が熱狂していく。
沖縄戦後史とその運動をカメジローの人生を通じて描き出す。

困難に挫けず清廉潔白のカメジローはなぜ戦い続けられたか。
それはすぐ隣りにある剥き出しの貧困、暴力、差別が許せなかったためだろう。
そしてまた貧困や差別が剥き出しになりつつあるいま、
それに抗議し続けたカメジローの軌跡から学ぶことがたくさんある。不屈。