赤い天使の作品情報・感想・評価

「赤い天使」に投稿された感想・評価

marusei

maruseiの感想・評価

4.0
増村監督×若尾文子映画2本目。

これまた凄まじいものを観た…序盤からあっという間に食欲を無くしてしまった。
なぜ赤い天使なのか?それは血に染まる野戦病院の看護婦だから。

バリバリの戦争映画(日中戦争?)とも見れるが、この作品には特に性(しかも男性側のね)についても切々と語られるシーンがあり、そこへ若尾文子演じる西さくらの芯の強さと美しさが折重なって、エロスというものがどの人間においても人間として至極当然の本能なのだという事が野戦病院を舞台にリアルに表現されている。

主人公の西さくらの芯の強さはハンパない。看護婦としての仕事ぶりも勿論ながら(しかしいくら仕事とは言え、患者に同情的サービスし過ぎの気が…)軍医への情熱的な愛もググっと積極的!同性なのにそそられる〜。

若尾文子の声質が女らしい顔の作りに対して少し低めでハキハキとしているせいなのかそのギャップがまた芯の強い女役のスパイスになってる。
モノクロのせいで野戦病院での凄惨なシーンになおさら拍車がかかり、私はクラクラ&食欲喪失…。2日ほど余裕で引きずった。

戦禍の中で束の間の幸せが見えたところで、そうは許さぬと悲劇的なラストを迎える。
若尾さんの魅力が大爆発!
戦争映画としても大傑作!!
野戦病院が舞台なんだけど、戦場の怖さ、恋愛、性など、ショッキングなシーンが多いのだが、そんな地獄にナース姿の若尾さんがいたら‥。
邦画の戦争映画で1番好き。

このレビューはネタバレを含みます

○邦画にも素晴らしい戦争映画はたくさんあるが、今作もそのうちのひとつ。約1時間半でこれほど密度の濃い映画が作れるものだ。

○容赦ない切断の即決も、切断シーンはこれでもかと見せつけるあたり、観客にも容赦ない。だからこそ、その後の岡部軍医による本音の吐露も生きてくる。

○増村映画おなじみの若尾文子も好演。戦争の惨状の中でも、看護師として、女性として母性を携えることが却って悲劇を生むことも。そういう「人間らしさ」を持ち続けていたことが、本音を吐露した岡部軍医に惹かれたのか。モルヒネをやめさせる下りも良い。

○命を救おうとしてきた西が、またも身近な岡部軍医を失う結末。これほど出来た反戦映画もない。
戦場に送り込まれた従軍看護婦の過酷な状況を描いた映画。 
増村監督の戦争映画なので「リアルなんだろうな」と思って、なかなか観る気が起こらなかったが観てみたところ、やはりリアルであった。

若尾文子も「当時にしては珍しいリアルな戦争映画だったでしょ。最近は『ライアン』なんていうのがあるけど。(『プライベート・ライアン』のこと)」と言っている。
げん

げんの感想・評価

-
『縛りあげて自由にしたいの』
と言っていたさくらは、
美徳に飢えていたのか。

最後の緊迫した状況の中での部屋の中は、
幻の如き美しさだった。
戦いを待つ朝までの時間経過と、一夜だけの愉楽とのクロスカッティングは、ただただ結末への道でしかない……。敵は見えないから、自国の兵を見つめ抜いていく。
Ning

Ningの感想・評価

4.0
主人公の名前は西さくらさん。
奇しくも桜の時期に見ることになった。
全てが、全てが生々しい映画。セリフは棒読みなんだけど…生々しいんだよ〜_:(´ཀ`」 ∠):
従軍看護師さくらさんのセリフ「自分が殺した…」
大規模な天災が起きたり、仕事で死に関わった時などに胸に浮かんでくる自責感を思い出した。

戦争と性の映画。
勇ましくて美しいだけの戦争映画なんてまっぴら

「戦場に心はいらない。快楽だけがあればいい」

負傷兵から摘出した弾丸に薬莢ついてるのはあるある

「靴!」
akikoishii

akikoishiiの感想・評価

4.0
全てのスタッフが戦争体験者だからこそ出るリアリティ、従軍慰安婦もどうだったか無言でわかる。体験者だからこそ作れる異常が普通の日常化する異常さ、戦地。
若尾文子さま演じる さくらという名の女性は陸軍病院に配属された従軍看護師。当然そこには毎日のように多くの負傷した兵士が続々と運び込まれてくる。兵士の怪我の手当てというより医師が有無を言わさず彼らの患部の腕や足をスパッと切断するという治療法が殆どだった‥‥。そんな環境に耐えなくてはならないさくら。その軍医の岡部(芦田伸介さま)もまた精神を病みながらの勤務の日々だった。
さらにさくらは入院中の兵士らから乱暴されたり院内のコレラの流行に直面したり負傷した兵士の一人をホテルに連れて行き望みを聞いてあげるはめになる等、精神面も身体もボロボロになりゆく中、同じ現場で働く軍医の岡部に恋心を抱き、それはやがて相思相愛になりお互いが支えとなりながらも過酷な毎日はさらに続いてゆく‥‥。

増村監督の作品とは知らずに大半を観てました。
グロテスクな光景の描写が続くのですがこの作品の場合モノクロであることによってそれらが薄められているように思います。
ただただ若尾文子さまがいつにも増して美しく、戦時下もなんのその しっかりメイクと眩しい白衣でまさに紅一点❗️の若尾さまの過酷な日々の物語なのでした。
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