まず端的にこの映画を観賞後に出てきた言葉は、美しい映画的寡黙だった。
時代や宗教的意味合いを越え、非常に普遍性のある作品だった。
異なる宗教が対立し殺しあう地域で、抑圧的風習に懐疑を挟んだ男が内な…
言葉では言い尽くせない魅力に溢れた映画でした。
山岳地域でのキリスト教とイスラム教の民族の対立を「英雄」を取り上げて描くのですが、雰囲気から風景から…全ての切り取り方が美しい。そしてそれ故に残酷さ…
主人公の心象世界と部族同士が争う現実とをカットバックで進めていく。クリスチャンとムスリムの殺し合い(とはいえ本質的には土地所有をめぐる経済的対立なのだが)に村の英雄的な戦士だった主人公があるとき反…
>>続きを読む山岳地帯の絶景の岩山と谷、石造りの建造物、要塞の村と、どこを切り取っても極上の映像が続く。
異教との争い、腕を切るか切らないか執拗な原理主義。刺すような思念に押し潰されそうになる。
個としての気高…
放置していたが、これからも上映される機会があるようなので、今さらながら、蔵出ししてみる。岩波ホールで日本初公開された時、あまりにも素晴らしいので2回観に行った。同じ映画を劇場で2回観るなんてことはあ…
>>続きを読む全編、詩のようであり激流のようだった。目も眩むような幻想的なファーストカットに始まり、視点が自在に変わるナレーションが彼らの心情を代弁し、ほぼ会話はなし。キリスト教とイスラム教との対立を軸に人間の尊…
>>続きを読む神と悪魔のような存在が出てくるところから始まり、正義の名のもとに人を殺すことの愚かさを問うてくる。殺さなければ、殺される。おかしいことをおかしいといえば、今度は自分が敵になる。村社会の因習や陰湿さが…
>>続きを読む❶内容:19世紀グルジア(現ジョージア)の山岳地帯に住むキリスト教徒とイスラム教徒の因縁の対決を描き、敵味方を超えた人間の尊厳と寛容を謳た1967年のテンギス・アブラゼ監督作品で、その後の『希望の木…
>>続きを読む(c) “Georgia Film” Studio, 1968 (c) RUSCICO, 2000