顔が見えず、まるで空から聞こえてくるようなラジオの声って、もしかしたら上の方にいるあの人の声かもしれなくて、親しみがあったんだろうなぁ
阿部さんの声がいまのあの場所にはないのがショックだったけど、…
状況説明などをほとんどせずに映画が進んでいき、段々と人物の過去や現在について把握できてくる、というのが小森はるか作品の一つの特徴(「二重のまち〜」では映画の持つ構造そのものすら最初は全く分からない)…
>>続きを読むこっちは阿部さんの数珠を何度も見せるようにして日本人の宗教観を描いてるんだな。映像で見せることができる杞憂な日本人監督だと思う。ラストの撮影は素晴らしすぎた。特に自然光の扱いがすごすぎる。
記憶は薄…
『二重のまち/交代地のうたを編む』は非当事者による逡巡でいっぱいの口承をシミュレートする自己探求的な作品だったが、本作はしっかりその橋渡しになっていて腑に落ちる。主人公の阿部裕美さん(『波のした、土…
>>続きを読む8/16/2021
何もなくなったところに、植物があった。
それに感動したということに感動した。
ラジオのときのマイクの前の阿部さんと、小森さんに話すときの阿部さん。まちの人々の声を撮るときの阿…
このレビューはネタバレを含みます
東日本大震災後、地域のラジオ局でパーソナリティを務めた女性を追ったドキュメンタリー。
小森監督は伝えるという行為をテーマにしているのかもしれない。
『息の跡』(2017年)では当事者が自分の経験を…
聞き手(下手)から、背後に無数の他者を背負った"複声"の語り手(上手)となった阿部さん。取材から5年を経た後に、彼女から「少しだけ前を向けるようになった」という言葉を記録できた本作の価値は計り知れな…
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