こなつさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

こなつ

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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.2

何て素敵な作品だろう。これは脚本のカズオ・イシグロの才能なのか、監督オリバー・ハーマヌスの手腕なのか、それとも日本の名匠黒澤明監督が生み出したオリジナル版の偉大さなのか。

オリジナル版は観ていないが
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しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)

4.0

全米スポーツで1番人気を誇るアメリカンフットボールリーグNFLのマイケル・オアー選手、彼の激動の半生を描いた実話。

以前からクリップをしていたが、今回やっと観る機会があった。重く暗い映画を観た後は、
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息子のまなざし(2002年製作の映画)

4.0

巨匠ダルデンヌ兄弟監督作品。主演のオリヴィエ・グルメがカンヌ映画祭主演男優賞を受賞。

職業訓練所で少年達に大工仕事を教えているオリヴィエ。丁寧に生徒達に教えているオリヴィエだったが、まるで心を閉ざし
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ショコラ(2000年製作の映画)

3.8

2001年公開、ラッセ・ハルストレム監督、主演ジュリエット・ビノシュによるアメリカ映画。ファンタジックな愛のドラマ
当時劇場で鑑賞した作品の再鑑賞。

強いカトリック信仰により、古くからの伝統や規律が
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なのに、千輝くんが甘すぎる。(2023年製作の映画)

3.3

お花見の後、友人と急に観ようと入った映画館。ひょっとして年齢制限あり?と思うほど若い女の子とカップルばかり。

「ちょっと、失礼します」みたいな感じで席につき、予想以上の甘〜い展開に口はポッカリ。超人
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

4.0

イタリアの最も美しい村のひとつチヴィテッラ・デル・トロントが舞台。イタリアで唯一陥落しなかった広大な城壁がある。息をのむ絶景、狭い石だんの道、歴史を感じる石造りの家々、この風光明媚な丘陵地帯を見下ろす>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

物語は、1900年代前半、大英帝国の植民地時代のインド。ラーマとビームという二人の実在の革命家を基に描かれたフィクション。

これは、アクションエンターテインメントというのだろうか?何しろ観ていて驚き
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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.8

2016年スウェーデン製作のハートフルコメディ。先日劇場で観た「オットーという男」のオリジナル版と知って鑑賞。

愛する妻に先立たれ、仕事もクビになり、生きる希望を失った孤独な老人オーヴェ。口うるさく
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オットーという男(2022年製作の映画)

4.0

いつも不機嫌な顔で毎日パトロールしてゴミの出し方が悪い、駐車の仕方が違う、と説教ばかりしているオットーのようなお爺さんが近所に住んでいたら、変な人だから近づかない方がいいと普通なら避けてしまうかもしれ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.0

2002年自ら開発したファイル交換ソフト「Winny」が社会問題化し、2004年に京都県警に逮捕された天才プログラマーの金子勇さんの実話を映画化。

ソフトの開発者が逮捕されるのは世界でも異例だった。
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.0

2011年、中国西北地方の農村。貧しい農民ヨウティエと内気で障害のあるクイイン。互いに家族の厄介者だったふたりは、見合い結婚。やがて互いを慈しみ、力を合わせ、作物を育て、自分達の手で質素な家を作り、慎>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

映画を観ない人でも、その名だけは知っているだろうスティーヴン・スピルバーグ。

50年もの間、多くの作品を世界に送り出してきた彼の原点である少年時代。自伝的作品「フェイブルマンズ」は、スティーヴン・ス
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.8

第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でカメラ・ドール特別表彰を受賞し、第46回日本アカデミー賞で、優秀脚本賞と優秀主演女優賞を受賞している。

日本アカデミー賞の最優秀賞決定の前に観ておきたいと思
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

お茶の間で知名度のある魚の研究者といえば、どこかの大学の博士ではなく、ハコフグ帽子と「ギョギョ!」という特徴的な語りをする「さかなクン」を思い出す人が殆どだと思う。

そんなさかなクンの自叙伝「さかな
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0

1980年代初頭のイギリス南岸の海辺の町マーゲイト、そこに佇む映画館「エンパイア劇場」が舞台。監督は、名匠サム・メンデス

1980年代イギリスの不安定な経済社会を背景に、その老舗映画館は、不況の苦し
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.0

2012年連作短編集として出された直木賞作家・朝井りょうの作品が原作。監督は中川駿。
この小説は未読だが、10代、20代の深層心理をリアルティのある描写で綴る朝井りょうの作品は結構好きで読んできた。
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

今回のアカデミー賞作品賞にノミネートされている作品の中で、唯一観ていなかったので発表前にと鑑賞した。辻村深月さんの原作は未読。

アニメは、苦手な分野です。全然観ないわけではなく、宮崎駿監督や新海誠監
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.8

パク・チャヌク監督の作品を初めて鑑賞。

彼の作品については、復讐・狂気・残酷・エロスなどその鬼才ぶりを聞くことが多く、今まであまり興味が湧かなかった。今回は若干トーンを落としているというので機会があ
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ちひろさん(2023年製作の映画)

4.2

人は皆寂しいのだ。その寂しさを時にはお酒で、時には語らいで、時には人の温もりで癒しながら時を重ねている。

今泉監督は、そんな人の心のひだを描くのが本当に上手だ。

海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.2

こんなにも切ない物語なのに、溢れ出る愛の欠片、父子の強い絆に震えるほどの感動が胸に迫る素晴らしい作品だった。

北アイルランドのベルファストが舞台のこの作品は、若い父親ジョン(ジェームス・ノートン)と
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.2

日経の「シネマ万華鏡」に本年屈指の収穫というべき秀作と書かれていた作品。映画館が満席で驚いた。

2021年カンヌのコンペティション部門グランプリ受賞。原作は、フィンランドの作家ロサ・リクソムが201
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.0

2020年10月に50歳の若さで亡くなった雑誌編集者でありエッセイストの高山真さんの実体験をもとに描かれた自伝的小説の映像化。ノーマークでしたが、フィル友さんの情報で知りました。

同性愛者である2人
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レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

4.0

この作品は、魔王と呼ばれた織田信長と蝶のように自由を求めた正室濃姫が激動の30年を共に駆け抜けた夫婦の物語だった。

戦国ファンには絶対物足りないだろうと思うほど合戦シーンがほとんどなく、大うつけと言
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少年の君(2019年製作の映画)

4.2

「ソウルメイト」のデレク・ツアン監督による中国/香港合作、青春映画。以前から観たかった作品「ソウルメイト」と「少年の君」を連続で鑑賞。

2020年93回アカデミー賞で、国際長編映画賞にノミネートされ
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

2016年中国・香港合作。「少年の君」のデレク・ツアンによる単独監督作品。デレク・ツアンは、香港出身の1979年生まれ。
中国の作家アニー・ベイビーによるネット小説を脚色して描いた青春映画。

「大好
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運命の扉(2022年製作の映画)

3.6

重たい映画を鑑賞した後は、何となく軽い感じの作品を観たくなります。長年好きな女優のジュリア・ロバーツの姪であるエマ・ロバーツがずっと気になっていて今回この作品を鑑賞。

エマ・ロバーツは、ジュリア・ロ
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

2019年上映、ノア・バームバック脚本・監督のアメリカ映画

「パターソン」のアダム・ドライバーに魅せられて鑑賞。「ブラック・クランズマン」「ハウス・オブ・グッチ」などでアダムの作品は観ていたが、また
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.0

2018上映、アルゼンチン/スペイン合作。
公開当時、劇場で観られなかったので配信にて鑑賞。

アルゼンチンの人気脚本家パブロ・ソラルスによる脚本・監督作。自分の祖父の家が「ポーランド」という言葉がタ
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

評判の良い作品だったが、なかなか時間が合わなくてやっと鑑賞。週末の映画館。予想以上に若いカップルが多くて驚いた。

辺見じゅんのノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」の映画化というのだ
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パターソン(2016年製作の映画)

4.0

ニュージャージー州パターソンに住むバスの運転手は、街の名前と同じパターソン(アダム・ドライバー)月曜日から日曜日まで変わり映えしない彼の日常が淡々と描かれている。公開時、劇場で観られなかった作品。今回>>続きを読む

ペリカン文書(1993年製作の映画)

3.8

「ザ・ファーム 法律事務所」の人気作家ジョン・グリシャムの同名小説を映画化した社会派サスペンス(1993年)製作・監督・脚本を「大統領の陰謀」(1976)のアラン・J・パクラが務めている。

タイトル
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.0

「私は、ダニエル・ブレイク」がとても良かったので、ケン・ローチ監督のこちらの作品も鑑賞。

前作よりもちょっと重たい感じでしたが、一貫して労働者階級を描くケン・ローチ監督の手腕が光っていた。

イギリ
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.0

冷戦時代の1962年、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられていた実話を基に描いたスパイサスペンス。

CIAとMI6のスパイとして白羽の矢が当たったのは、グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ
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あつい胸さわぎ(2023年製作の映画)

4.0

フォロワーさんのレビューで知って気になっていた作品です。

1月30日のFILMAGAの新着で、初日満足度ランキング1位というのを知ってこれは今絶対観に行きたいと思い、ミニシアター好きの後輩を誘って観
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ、彼自身が自分の半生を回想している貴重なドキュメンタリー。

500作品以上の映画とTV音楽を手掛け、6度もアカデミー賞にノミネートされ、「ヘイトフル・エイト」で受賞
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.0

2016年80歳にして2度目のパルム・ドールを受賞したケン・ローチ監督の最高傑作。ケン・ローチ監督は、社会的弱者の人々を主役にする監督として知られているが、この作品も貧しい人々が多く住むイングランド北>>続きを読む