終始くそ重い愛の物語。ずっと疎外され孤独な女(若尾文子)と村民皆から「模範」とされる青年(田村高廣)との愛の結末は実に凄絶。
それでも実はハッピーエンドという超絶変態映画。
五寸釘を握りしめる女も…
凄まじい怨念のようなものが画面から立ち上がりまくってて凄い。
新藤兼人の反戦の主題とか、村人たちの下品なセリフとか気にはなるけど、それをどうでもよくさせる若尾文子の恐ろしさ。
五寸釘持ったクローズア…
模範生でなくてはならないという強迫感(それを表すのが早朝に鐘を鳴らすという何ともはた迷惑な行動)+自分を犠牲にしてでも国家に奉仕しなければならないという全体主義の欺瞞(戦地から帰ってきた清作に対して…
>>続きを読むこの時期の増村は神懸かり的に傑作を連発しているが、その頂点付近にある一本。
日本社会はそれ自体がムラ社会であるので、敢えて増村が土着的な農村をストレートに描いたことはなかったが、いざ描くとこれまた強…
閉塞的村社会での孤独、死して誉れる戦争。死ぬより孤独を生きる共依存。他利的な釣鐘の墜落。モンペ泥まみれでの逢引き、乱れ前髪で色気爆発の若尾文子。愛情ゆえの目潰し、パートナーの首を絞めて「痩せたのう」…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
昔の日本の村社会の暗部を凝縮したような、嫌なところてんこ盛りの中、若尾文子さんの妖気漂う凄絶な美しさと、田村高廣さんのイヤミなまでの出来杉君ぶりが、事件まで続きます。…
ですが、二人だけが理解できる…
何だか凄い。壮絶だった。
激しくて、残酷。純愛であり、反戦映画であり、日本の土着性を描いた作品でもあります。
貧しい家に生まれただけなのに、ただ美しかっただけなのに、過酷な運命をたどるお兼(かね)…
新藤兼人の辛気臭い脚本を、増村の映像力が蹂躙した!!明治の農村の排他的でネガティブな側面が、これでもかと強調されていて息苦しいが、若尾文子演じるお兼の凛とした、しかし狂気すれすれの鋭い眼光が、映画に…
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