映画は明治時代。田舎とか古い時代の因習をまざまざと感じてしまう。
年老いた男の妾として生きていた女が本当の愛を見つけ、失いかけるとわかれば決して失いたくない一心で捨て身の行動に出た女の物語。
釘…
お兼はその家が貧しい故に60を過ぎた金持ち老人の妾とされた。が、その老人が大金を残して死んだために母親と故郷の村へ帰郷することに。しかし村人は二人に対して冷たい。
村八分にされたお兼だが、軍隊で功を…
このレビューはネタバレを含みます
【自我の絶対化】
本作は私が16歳のとき、ユーロスペースで初めて観た増村保造作品だ。思った以上にB級映画的な雰囲気が強い。主演の若尾文子の怨念に満ちた眼差しが屈強で、鬼気迫るものがある。
驚愕の…
元妾のあややの孤独になりたくない一心と強烈な愛ゆえに盲になってしまった清作だが、それであややの孤独の胸中を知り、模範=国家に従うことを止め、自ら売国奴として生きていくことを悟ったのは、ある意味ではハ…
>>続きを読む国のため死ぬために生きてる戦時中の空虚さ。清作に心奪われたお兼を演じる若尾文子の姿が本当に妖艶で美しい。お兼はずっと孤独で捻くれた人生を歩んできたが故に清作の目を潰してまで愛してくれる人を側に置きた…
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