戦争のはらわたの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「戦争のはらわた」に投稿された感想・評価

hk

hkの感想・評価

4.5
邦題は仕方ないのかもしれないが最悪のセンス

とにかく曹長が格好いい。
ソ連側の攻撃の物通じなさそうな野蛮さと冷徹無比な蹂躙の様が、描写としてよかった。
そのソ連の軍隊に、よもやあんな軍隊があるとは。(本当に存在したのか?)

どこで終わっていても映画として成り立っていたであろうシーンが最後まで続く。カタルシスが得られるまで。
サム・ペキンパー唯一の戦争映画にして、戦争映画史に残る大傑作。
第二次世界大戦中の最前線を舞台に、敵軍に包囲されたドイツの部隊に視点を当てて描いている。
百戦錬磨にして戦場において生きる神話とされるシュタイナー伍長(後に曹長)と、西部戦線より着任したシュトランスキー大尉が物語の主軸。
このシュトランスキー大尉、名声とドイツ軍人で最高の名誉である鉄十字勲章を得ることのみに執着しているのだが、最高に無能だったりする。着任早々、爆撃音にひとりビクつく姿が、一瞬で態度だけの無能上官と解ってしまうのが面白い。

そんなシュトランスキー大尉、昇進や名声など興味なく、ひたすら前線で戦場に身を置き扱いづらいシュタイナーを利用しようと試みるが大失敗。すぐに確執が生まれてしまう。

最終的にシュタイナー大嫌いな大尉は、シュタイナーの小隊を敵軍に包囲された前線へ置き去りにして囮に仕立て上げる。
包囲網を掻い潜り、友軍の陣地へ数々の犠牲と共に帰還しようと突き進むシュタイナー小隊。ようやくたどり着いたと思いきや最悪な結末によってシュタイナー曹長は怒り心頭に発してしまう。

そこからの物語の幕引きにおいて、シュタイナー曹長の響き渡る笑い声。
この瞬間に「彼こそが 戦争のはらわた なんだなぁ」と邦題が理解できるのは本当に見事だった。
負傷して野戦病院から帰国という選択肢があろうと、何があっても戦場に戻るシュタイナー。彼の居場所、そして楽しみは戦場にしかなく、序盤で指揮官たちが言っていた言葉の意味も活きてくる。素晴らしい。

戦場の英雄であり神話。
言い換えれば戦争という狂気に感染した中毒者であるとも考えたが(裏切りや仲間の死もあるし)
あの絶望的状況の中で心底楽しそうに笑う姿は、やはり単なる中毒者ではなく戦争における現実離れした 神のような存在
「戦争のはらわた」であると思ってしまう。

あ、再装填できないシュトランスキーはホントかわいいよ。
lag

lagの感想・評価

3.9
華々しい英雄たちの活躍をつづることの多い戦争のはらわた(本質)、狂気と虚無しかない。

肩書きだけの将校が嫌いのシュタイナーさんとその小隊、それと鉄十字勲章が欲しい無能な腰抜け貴族シュトランスキー。

OPとEDが好き。
ミク

ミクの感想・評価

3.0
映画館で観れる貴重な機会だったにも、気持ちよく就眠してしまいました。戦争についてまだまだ無知なことが痛感したので、勉強します。
デジタルリマスター版で鑑賞。
普段古い戦争映画をあまり観ないので新鮮でした。
まさに邦題の通りで戦争の中にあるどろどろしたものを見せられた。
最後に出てきたブレヒトの「諸君、あの男の敗北を喜ぶな~」の警句が衝撃的で頭に残る。
harumijano

harumijanoの感想・評価

3.5
うーん…まぁ戦時という特殊状況の中での極めて個人的な戦いなのかなぁと。もちろん敵兵もいるんだけど、メインはね、、

まぁまぁユニークだなぁとは感じるんだけど、なにぶんストーリーは想像の域を越えてこないし(というかシュタイナーの選択は「分かる」ので実は案外自分と近いのかも?)、人物とか合わせても、刺さってはこないので、この点数。

でも戦車とかすごかったねー。
なんでも砕いて進んで行くあたり見ると、恐れられたのも納得。
金かかってんじゃないの?って勘ぐっちゃう笑。
ほのか

ほのかの感想・評価

3.5
全然前知識入れずに観たので時代も国も途中までわからんかった。主要な登場人物2人とも「シュ」から始まる名前にすんのほんまやめてほしい。

こんな可愛らしい曲から始まるの?って思ったのに最後こわっっっ。ちょっと引いた。戦場の中ではまともな思考を持ってたと思うシュタイナー、最後はとうとうぶっつぶれたかと思った。怖いよ〜。ホラーや〜。

全員に死亡フラグが立ちすぎててもうほんま勘弁していっそはやく楽にしてってずっと思ってたけどどんどん絆は深まっていくばかりだったのであ〜😭って感じでした。それにしても男ってバカなの?って思うと同時にああいう場面で弱いところを武器にして挑んでくる女の人強い…。

タイトルからして怖そう…ってビビり倒してたけど戦争の怖いところの描写よりも人にちゃんと焦点を当ててる映画だった。それならそうともっとちゃんとそれぞれに集中して観ればよかった。映画観るたび思うんですよね、決めつけってよくないなって。
TAKA

TAKAの感想・評価

4.6
2018-021-013-008
2018.1.13 京都シネマ Scr.1

・戦争をパーソナルに描いた傑作
・戦争は暴力でしかない。
・やがて狂気に包まれて。

凄かった。

ペキンパーの作品で観たことあるのは、わらの犬、ワイルドバンチ、ゲッタウェイ、コンボイ。

オープニングに流れる「ちょうちょ」が醸し出す雰囲気。

おっ?(゚д゚)

なんか違うのかな?

だけど始まった映像世界は、紛れもなくペキンパーのもの(^_^)

本作は戦争を限りなくパーソナルに捉えた作品かと。

個人にとって戦争って、暴力でしかないよね。
それも無差別で無軌道な暴力。

そりゃぁ守るためにだとか、怨みをはらすためだとか、理由があって自ら戦う人もいるのかもしれない。
独立戦争やパルチザンてのもあるけれど。

だけど大多数の兵士にとっては、
戦争は暴力で、
痛くて、
恐ろしいもの。

違いますかね?f(^_^;

本作はそんな暴力の痛さと怖さを、最大限に表現して見せる。

そして、ある意味それは生の本質。
生きたい!という衝動。
女子供を倒しても。

生きる為に。
自らも暴力の世界に踏みいっていく・・・

極限の生。
それは性と結びついていく。
それもまた必然。

そしてそれら全てを巻き込み覆い尽くしていく戦争という暴力の狂気。

それは遂に

シュタイナー(ジェームズ・コバーン)をも取り込み、渦の半径を広げていく。

ペキンパーの狂気!


凄かった。

ハクソー・リッジ以上に戦争をパーソナルに描いた傑作。

暴力の恐ろしさ、
戦争の恐ろしさ、空しさ
人間の恐ろしさ、愚かさ、悲しさ

そういったものを痛感しました。
それでも人間を諦めきれないことも。

傑作でした(^_^)
京都迄観に行って良かった♪(* ̄∇ ̄)ノ♪
kazuuu

kazuuuの感想・評価

3.0
戦争のリアル。

時は第二次世界大戦、ドイツとソ連、双方合わせて1400万人以上の死者を出したとされる戦いを、前線に配置された小隊を通して、ドイツ側の視点から描く。

リアルな戦闘シーンとスローモーションが印象に残る。戦車での破壊、空爆など、爆破シーンが圧倒的すごさだった。映画館で観たら耳がおかしくなりそう。

勲章を求めて必死で嘘ついたり戦う姿が滑稽に見えて、失うものは多いのに戦争から得られるものって虚しくね、と思った。
マクロな視点だと国のために戦うんだろうけど、個人個人からすればなんで偉い人のために命かけなきゃあかんねん、と思う。愛する人と離れて、何のために戦うのかわからずに死んでいく人がたくさんいたことを考えて、悲しい気持ちになった。
最高。
演出が斬新!豪快!胸熱!
ペキンパーのバイオレンスって人間の狂気にちらっと可笑しみと愛情を感じて、何故か心地いいんだよな。
クセになる。