このレビューはネタバレを含みます
溝口映画10本目にしてマイベスト更新っ……。まじか……。
自分が好きな映画は「キャラクター」ではなく「人間」、他人の想定通りばかりには動かず時に非合理にさえ振る舞う人物の姿が描かれた映画。そして特…
このレビューはネタバレを含みます
決定的に面白い瞬間があって、
つとむくんが報復的に不倫を迫られるのを断るショットがまずひとつ
ぐーんとしたカメラの移動がすごく印象的だった
二つ目は主人公とつとむくんがどうしても体を重ねちゃいけない…
絹代ーーーー!本当にいい声してる。
純粋に綺麗なままでいたいと思える人間の美しさよ。対して富子と秋山のゲスさが際立つ。今じゃ道子のような道徳観の方が恐ろしい気もする。情熱のままに勉に対する想いを吐露…
大岡昇平ベストセラー原作を福田恆存が脚色し、依田義賢脚本、溝口健二監督の東宝作品と云う溝口一連の作品系列で異質な印象を持ったが、期待に違わぬ、戦後の無秩序な風潮に一石投じた感覚鋭い風刺を効かしたメロ…
>>続きを読む前半の言った言葉が次々に実現していくスピード感が速すぎる。死ぬ話したら次のシーンでは死んでいる。
田中絹代と片山明彦が宿で語るシーン、編集もキレてるし、長回しでも光の変化が絶妙で田中絹代に当たる照明…
戦後の時点で既に失われまくってる武蔵野の風景に道徳観念。今じゃ家だらけでモラルも底な具合な我が国。オトすの無理な感じな貞操の塊みたいな田中絹代が死を持って前に進めと手向けの言葉を送るも、誇りまで失っ…
>>続きを読む怪しい作品だったけど、青酸カリ、戦後の東京の風景、若き帰還兵の不良、不倫と近親相姦(文学の名においてのみ価値を獲得する)、死んでいるのか寝ているのかわからない横になった田中絹代を照らす天井の電気が揺…
>>続きを読む