地獄に堕ちた勇者どもの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「地獄に堕ちた勇者ども」に投稿された感想・評価

意識しないとひたすらハリウッド映画を観てしまうのが私の悪い癖なので(笑)今年こそ、ヨーロッパ映画をもっとお勉強!ということで、イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティのドイツ三部作の一本目を鑑賞。

1933年2月、プロイセン貴族で製鉄王のエッセンベック一族の当主ヨアヒムは、政権を発足させたばかりのヒトラー率いるナチスとの協調を企んでいた。これを機に、反ナチのヘルベルト、突撃隊幹部のコンスタンティン、製鉄会社の重役のフリードリヒとその恋人のゾフィー、彼女の息子であるマルティンなどそれぞれの思惑がぶつかり合い、エッセンベック家の覇権を巡る骨肉の争いが始まるのだった...。

重い、重すぎる...!週末に気合を入れて観ることをオススメします(笑)。
血が繋がっている「家族」であっても、こんなに容易く憎み合うような関係になり得るんだな...と悲しくなりました。冒頭10分くらいから既に裏切りは始まっており、ドロドロの人間模様が繰り広げられます。ほんのわずかばかりの「愛」の場面も垣間見えましたが、それも自分の権力のためだったり、はたまた近親相姦だったりと歪んだものばかり。時はナチスドイツの台頭の前夜、やはり狂った時代には狂った人間模様も生まれやすいのだなと痛感...。「長いナイフの夜」事件は実話ですが、映像化されるとより凄惨さが伝わって観ていられなかったです。

こんな悲劇的なお話なのに、ヴィスコンティ監督の手腕により、ドロドロの愛憎劇がどこか甘美で崇高なものに見えるのがすごい。『ハムレット』や『マクベス』などのシェイクスピア悲劇へのオマージュも感じられる一代叙事詩となっています。
ダーク・ボガードとイングリッド・チューリンの2人が織りなす退廃的な愛も良かったけど、本作で一番際立っていたのが当時25歳のヘルムート・バーガー!
ヴィスコンティの秘蔵っ子としても有名ですが、目を見張るほどの美男子。幼女への執拗な愛着があったりと異常な面がある脆い青年から、さまざまな悲劇を乗り越えて冷酷なナチ党員へと変貌を遂げる迫真の演技が圧巻でした。有名なマレーネ・ディートリッヒの某シーンの再現では女装姿も披露、なんて美しいんでしょう...!
ヴィスコンティ作品に美男は欠かせないんですね。

タイトル通りこの世の「地獄」とも取れるあの悲劇的なラストシーン。そもそもヴィスコンティ×ナチスという取り合わせ、名作にならないわけがない!
なんかよく分からんないけどすげぇ…となってしまった もう少し大人になったら再挑戦したい映画
324

324の感想・評価

4.0
フレーム単位で美しい。個人的にはベスト退廃映画かも。今作のシャーロット・ランプリングは女神だな。特に母親の結婚式につけるコサージュのショットが好きだった。
家族の愛憎劇、地位をめぐるパワーゲーム、歴史的事件と実際かなり多くを描いているが、そう感じさせない構成の上手さ。
稲生

稲生の感想・評価

-
18/1/2 とてもじゃないが156分じゃ描ききれないことを詰め込んでる作品
高校生に見た時は気づかなかったけどかなりピンずれ多いなあ
18/1/5 ズーム演出が過多でちゃんと絞って使えばいいのにって思ってしまった。やはり肝心のマーチンの心情が不明瞭で人物造形に立体感が欠けるのがかなり気になる。変態なことしかわからない。ただ外部の歴史的状況と一家内部のパラレルを描く脚本は流石に巧いと思った。
2017年最後。こんな重量級の映画でいいのだろうか?

ヴィスコンティとナチズムの組み合わせで、いったいどんな映画になるのか、興味津々でした。

と言ってもナチスを直接描いている訳ではない。ナチスに翻弄された製鉄王一家の話。ドロドロの権力争い。陰謀、裏切り、殺人、幼児性癖、近親相姦、、人間の欲をあぶり出し退廃的な世界観と美的感覚で醜いものを描いてます。

一家も最初はナチスを利用しようとします。ナチスを甘く見ていたふしがあります。でもいつのまにか、逆に取り込まれ崩壊に追い込まれる。ナチスの毒蛇のような真の怖ろしさ!それこそドイツ国民がそうだったように、、。

さすがはヴィスコンティ、こんなドロドロしてても品があり格調高い。それだけに余計に嫌らしいともいえるけど。

ヘルムト・バーガーの女装からナチス親衛隊の制服まで、妖艶さで彩ります(^_^;)

年越しそばもまだなのにお腹いっぱい、、やはり凄い映画でした!

今年の1月に、filmarksを何気なく始めて1年がたちます。たくさんの方と映画の話ができるのが楽しくって、ここで知った映画にもたくさん出会えて、とても充実した1年でした。
皆さん、ありがとうございました。良いお年を。そして、来年もよろしくお願いします^_^
mtmt

mtmtの感想・評価

4.5
ドイツ3部作の一作目。貴族一族が台頭期ナチスに喰い物にされるストーリー。ヴィスコンティ監督のデカダンな描写が病的に美しい。キャストにもそれは言え、特にヘルムート・バーガーは絶世の美男子。歴史ものとしても国防軍、親衛隊、突撃隊そして「長いナイフの夜事件」などが描かれていて見応えあり。
ooospem

ooospemの感想・評価

5.0
ナチズムとデカダンというテーマでは今作も究極だった。どんどん大人の男らしくなっていくヘルムート・バーガーの怪演は流石としか言いようがない。人間どもが欲深さをあらわにしてゆく中、様々な駆け引きと愛の形が交錯する。中でも極め付けの母親を強姦するシーンでの叫びは究極の求愛でもあったし、やり手の女であったゾフィに眠っていた母性の目覚めという一種の敗北でもあった、濃密なのに冷徹、人間臭いのに高尚な空気をまとうヴィスコンティの映画でしかこんなシーンは描き切れなかったと思う。
《長いナイフの夜事件》という歴史を初めて知った。
Lulu

Luluの感想・評価

-
かなり前に観てあんまり覚えてないからスコアはまた今度観た時にしようと思うけど
ヘルムート・バーガーに出会ってしまったことだけは覚えてる…
華麗なるエッシェンバッハ家の骨肉の権力争いや愛憎劇。ヴィスコンティ作品の中ではかなりエンターテインメント性に富んでいると思う。サービス映像てんこ盛りです。炎が燃え盛り打楽器が鳴り響く不吉な幕開けから震えが。国会議事堂焼き討ちの画だとその後わかる。

そしてなんといってもヴィスコンティの寵児、ヘルムート・バーガーの頭のネジの飛んだ、超越した美青年ぶりが見どころ!やっぱりこの人はどこか浮世から外れた、いかれた役を演じると素晴らしい。女装ありナチス党員の軍服姿あり。
ただ人物相関図が分かりづらく、顔と名前がなかなか一致しないのが辛い。私は解説を読んで再度観て、ようやく理解しました。

「あなたの罪がいちばん重い
この怒りはあなたには想像もできまい
破滅させてやる」
あぁ、怖い…この後の復讐が…
久々の鑑賞。
この画力の凄さ、主演の人々の演技力に圧倒され続け、この長さがあっという間に過ぎ去る。
役者、豪華過ぎ。

ああ、ヴィスコンティってこうだったんだ…