舞台は京都島原。女手ひとつで置屋兼お茶屋をきりもりする母親と、家業が知れて恋に破れ、自殺未遂をおこした一人娘。廓風俗を背景に母娘の愛情のもつれを描いた、溝口健二監督の現代ものの小品。(ラピュタ阿佐ヶ…
>>続きを読む溝口作品には遊女娼婦モノが多い。
姉の寿々が芸者屋へ奉公に出されたことが影響しているのだろう。
例に漏れず本作も置屋が舞台である。
見どころはと言うと、毎度の溝口作品の如く”色を売る女たちの裏側”…
■溝口健二監督作品、母娘のドロドロ関係が面白い、笑■
封建的な社会や男性の犠牲となる女性を描いた監督さん。
田中絹代氏が演じる母親初子は、「京・島原の太夫」の置屋+お茶屋を切り盛りす…
この白黒映画の出だしは、気が利いている。町中(まちなか)の、ある道をカメラは俯瞰的に捉える。しかも、その道は、画面の左下から右上に斜めに抜ける構図で撮られてある。カメラの位置は、画面右下、建物の二…
>>続きを読む京都観光の折に、島原に行かれた事はありますか?
新撰組の屯所があった壬生から南に下って行きますと、有名な輪違屋や角屋があった島原に当たります。
一般的には遊郭のイメージでしょうが、社交場という表現が…
若干溝口っぽくない気がしなくもない。とはいえ人物の向きとポジショニングは洗練されている。特にラストは、女が死んだ同僚の妹に笑顔で話しかけたところから着物を直してもらうために体の向きを反転させて、また…
>>続きを読むストーリーはちょっと王道のきらいがあるが修羅場シーンとラストシーンに目が離せなくなるのはさすが溝口健二だとおもう
この人の映画はキャメラや人物が動いてこそかもしれない。動くことでひとつの絵巻物になっ…
人間の渦巻く感情が目まぐるしい
どうしようもなさが変わらない
人を狂わせる色恋沙汰
運命というものの余韻
生き甲斐を人に見出すことは、この人と一緒になりたい、この人のためならなんでもする、でき…
ファーストショットとラストショットの円環感が好き。
いつまでもぐるぐると、こんな人生が生まれては消え、生まれては消えるというしんどさをすごく感じた。
ただ、良いシスターフッドが香り、そんな連帯の中…
『近松物語』でも見せた部屋にかけられた着物や、人形などの美術を用いた演出がすでに本作でも見られる。
田中絹代と中村雀右衛門が並んで川の横を歩く移動ショットが素晴らしい。田中絹代がそのまま立ち止まり…