根深い因習の弊害、多数決による村八分。利害の一致をみて正当化される暴力。アメリカ兵を異分子として村に投げ込み、その化学反応で村の日常に波風を立てながら、村人を日本人の映し鏡にする。戦時中の日本を冷徹…
>>続きを読むこれを「昔の映画」っつって切り捨てるのは簡単だけど、別にここから根本的に私達って変わってないんじゃないかなと思うし、そういう意味では今見られる価値のある映画だと思う。コミュニティ内の問題を、すべて外…
>>続きを読む大江健三郎の小説にある袋小路にあっても失われない生命力や絶望的な状況に陥っても損なわれないみずみずしさがまったくなくなってしまった。今村昌平の『楢山節考』もそうだけど、どちらも文化人類学的視点の映画…
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大江健三郎の芥川賞受賞作の映画化。
太平洋戦争末期 アメリカの黒人兵士が田舎に墜落。
村人に捕まえられて 飼育が始まる。
三國連太郎はなんでモヒカンなんや?
でも三國連太郎はやっぱ凄い。
閉鎖…
これほど醜悪な踊りというものがかつてあっただろうか。戦後民主主義のダイナミズムというものに無縁な無思想性。土俗的な終戦の形は死と踊りという点で共通するベルイマンの神の御許へという芸術性とは驚くほど対…
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大島渚監督の問題作。
太平洋戦争末期、山林の集落付近で墜落した米軍飛行機に乗っていた黒人兵士を、村人が「飼育」する。
黒人兵の足には獣用の罠がかけられており酷い傷だが、手当てすることもなく蔵に閉じ…
原始的村社会がグロテスクに描かれていて興味深かった。儀式とヒエラルキーと暗黙の了解によって保たれているのは人間ではなく秩序が主役の未熟な社会で、一皮むかずとも隠し傷だらけ。現代にもこんな社会は存在す…
>>続きを読む原作より戦争の色が強い。部落の陰湿で不気味な雰囲気が濃い。小説は大人びた子供の語り手の視点から語られるのに対し、映画は客観で、またカットも少なく、ひとつの構図の中で複数のことが同時に起こりごちゃごち…
>>続きを読む大島渚プロダクション