小津とは思えないほどに異色も異色、そもそもこんなに綺麗な女優を作中一度も笑わせないとは鬼の所業である。山田五十鈴と姉妹二人がそれぞれ対面する時の妙な緊張感、切実な響きでもって発される数々の台詞は他の…
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登場人物全員が主人公に対してそれだけは言うなよという地雷を悪意なく踏んでいく。地獄。全員他人事みたいだ。お父さんはいいお父さんでも娘を幸せにすることはできないんだな。最後は東京物語のようで哀愁を感じ…
>>続きを読む皆他人事で、どこにもぶつけられない閉鎖感が際立つ。突き放すでも寄り添うでもない切り口に持ってかれた。
出発を待つ列車のシーンにあっぱれ。明大校歌が母校の校歌のように聴こえる、いまにどこかへ送り出され…
現時点で小津安二郎の最高傑作だと思うくらい好きな作品でした!
60年前の話なのだが、現代のがこの映画で描かれていることの恐ろしさが伝わると思う。
父親の周吉と住んでいる次女の明子、帰ってき…
今回見直して、今までで一番泣いてしまった。有馬稲子のものすごく助けが必要なのに、身近な人に言えず自滅していく性格が、わたしから観て一番可哀想な人に思える。警察でのずっと突っ張った態度や、常に憤怒や飢…
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これはつらい。母親が訪ねてきたとき玄関で拾い上げるガラガラ、最後、父がタンス?の上で見つけて取り出すガラガラ、あれ対比されてるのだろう。離ればなれになった親が子を通してつながっているということか、で…
>>続きを読むあっぱれ。もの凄い映画に出会ってしまった。小津がこんな人間の陰の部分を全面に出して描いた作品があるとは思わなかった。紀子3部作を先に見たので、序盤は同じように情緒的に描いているのかと思えば
中盤から…
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うずくまる人間たちの映画
背を丸めうずくまる人間達に映画だと思えば、笠智衆と原節子にフォーカスするのか、有馬稲子を通した家族の話なのか、山田五十鈴の母の視線から見た話なのか、と筋がブレて不安になる…
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