「戦争」という題材で、戦争をそのまま描かずにその場で生まれる「人間」を描くのにキューブリックを超えるものはいない
権力を持った人間のエゴ、それに翻弄される下級兵士。権力の絶対的な行使を残酷に描きつ…
戦争の不条理、人間の醜さ。その中に僅かに見える人情。その絶妙なバランスが、余計に人間の滑稽さと微かな希望を目立たせていた。キューブリックの反戦映画は歌で終わることが多い。最後、映画の中で募った怒りや…
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戦時下のフランスが舞台。無謀な作戦が失敗し、3人の兵士が見せしめで処刑される。ドイツの弾が怖けりゃフランスの弾を、と言って自国の兵士を処刑する将軍は映画史に残る悪役ぶり。個人的ハイライトは中盤の軍法…
>>続きを読む人への哀れみという気高い衝動
理想論者
そんな人間でありたい。
戦争はとにかく野蛮な行為で、そこからどれだけ逃れられるか、それが現代に生きる人間の持つことのできる最大の美しさ。
歌の力、そう…
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「ドイツの弾が嫌ならフランスの弾を喰らえ!」
「子は父に厳しさを望む。軍も規律だよ。規律の維持には射殺も必要だ」
ホモソーシャルの煮凝りみたいな空間で次々放たれる理不尽パンチラインの数々がたのしい。…
何も良いことが起こらない、スタンリー・キューブリックによる究極の反戦映画。軍上層部の責任の押し付け合いが気持ち悪いし、その気に入らないのを兵士に罰を与えることで処理するのはファシズムを感じる。そこに…
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