一人息子が死ぬのを際立たせるための前フリ、にしても恐ろしいほど上機嫌な田中絹代に身震いする。息子が死んだときの二重三重に組まれた境界線の構図が面白い。
倒れた乙羽信子に堀雄二が覆いかぶさるもすぐに叫…
「また、若葉の頃になりましたなぁ…」
お見合い相手の姉に惚れてしまう話。
慎之助の母が「お通さんと添い遂げるなら駆け落ちするしかないじゃないの」と言った時は『近松物語』みたいになっていくの…
極致的な画力と永遠に平行線な感情の融和はダメージが大きい。徹底した見せない演出が人物の胸中と情感を炙り出す。堀雄二の背中で始まる冒頭。乙羽信子の登場は田中絹代に隠れ全く見えず。情欲を抑え縁側で背を向…
>>続きを読むとても素晴らしい映画だった。「美しい」自己犠牲の先にある悲劇と、どうにもならない禁断の恋に心を掻き乱される。
ずっと連続している空間の中で、人物たちの心情の変化も連続的に一つのショットに収まる。豊か…
まさに「谷崎潤一郎」。驚きの再現率。これほどまでに谷崎文学を具現化した作品、観たことないわ。谷崎作品で実写化舞台化の定番といえば「細雪」「春琴抄」あたりだけど、この作品ほど谷崎「純度」が高いのはお見…
>>続きを読む田中絹代演じる主人公のお遊さまは、ファム・ファタールといっても良さそうである。
彼女は無意識に、ある男女を苦しませるのだ…。
人物のやり取りや心情描写がやはり巧みに描かれている。
その表現方法は…
原作未読です。途中までは「これは……百合?百合なのか……?」と思ってました(違った)。衣装考証に日本画家の甲斐庄楠音が関わっており、実は一瞬だけ出演もしています(そのはずです、お茶の先生役)。長回し…
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