赤い天使の作品情報・感想・評価・動画配信

『赤い天使』に投稿された感想・評価

激烈な戦場を生き抜く看護婦・若尾文子が、献身と情愛の狭間で揺れつつ、女になっていく様を小林節雄の滑るような映像で描く。
増村の肌や肉体的欠損への執着、不能への恐怖等の記号が配置され、明日知れぬ戦地で…

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戦地での極限状態における愛と性と死をこれでもかというぐらいに描いている。 命を助けるために切断する手足。 助かる見込みのある人を助け、助かる見込みのない人は切り捨てる、流れ作業のような軍医の仕事。 …

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増村作品は、大体100分以内のものが多く簡潔で明快だ。この作品も95分で独白を効果的に使いながら極限に追い込まれていく主人公の倒錯とも、深いとも言える献身的な性世界を描く。今なら、セックス・シーンが…

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3.9
増村保造の中ではカメラが落ち着いていていい。戦争の生々しさの苦しさよりも映画の面白さによる心地よさが勝る。

反戦映画といえるほどのメッセージはないが、戦争の悲惨さ、不条理さ、人間の業と倫理の崩壊を官能的に描いた作品。
見ているこちらも倫理を理解するというより体感することになる衝撃作。

過酷な戦場で、看護…

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Taul
5.0

『赤い天使』(1966) シネ・ヌーヴォ 若尾文子映画祭 Side.B で初鑑賞。『ゴジラ』が怪獣で戦争を描いたなら、本作は性愛で戦争を描いた凄まじい傑作だった。一瞬の隙もない話運びと地獄絵図のよう…

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男に都合のいい女性を天使呼ばわりするのには気持ち悪さを感じるが昔の映画(のタイトル)に対して今の目線であれこれ言うのもズルいんで深くは言及しない(基本的にそこに突っ込んで良いのは当事者だと思うんで)…

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yz
4.5

心が痛む瞬間や目を背けたくなる瞬間は多々あるのだけどそれは描写に力がある故で、すなわち優れた(側面を持ち合わせた)映画だし観て良かった。

西の女性像はまず男性に都合の良いモノでしかないのだが、愛や…

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かつて看護婦は『白衣の天使』と言われ昭和の日本人が思い描く理想の女性像だった。そして増村保造監督にとっての理想の女性もまた本作の看護婦 西さくらだったと思う。献身的で従順で自分に思いを寄せてくれ昼は…

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4.0

他の方も指摘しているように、若尾文子が演じる西さくらというキャラクターは、戦後の男性が抱いた聖母像を凝縮したような存在に見えなくはない。けれど彼女の姿は、単なるファンタジーとして片づけるには、どこか…

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