サンチャゴに雨が降るの作品情報・感想・評価

『サンチャゴに雨が降る』に投稿された感想・評価

 以下は本編

 https://youtu.be/p6KkRuRSQko
一人旅

一人旅の感想・評価

4.0
エルビオ・ソトー監督作。

1973年のチリ、サンティアゴを舞台に、軍によるクーデターとそれに巻き込まれる人々の姿を描いたサスペンス。

1973年9月11日に発生したチリの軍事クーデターの模様を緊迫感に満ちた演出で描き出した作品。同事件を題材にした作品にはコスタ=ガヴラス監督の『ミッシング』がある。『ミッシング』では名優ジャック・レモンの熱演が光っていたが(カンヌ国際映画祭男優賞)、本作はもっとドキュメンタリーに近いタッチでクーデターの模様を描いており、特定の主人公らしき人物は存在しない(強いて言うなら外国人記者の男)。一応キャスト欄の最初にはフランスを代表する名優であるジャン=ルイ・トランティニャンの名があるが、実際は主人公ではないし出演時間もそれほど長くない。合法的に成立した社会主義政権を支持する人々が、アメリカに支持された軍部によってことごとく蹂躙されていく姿を映し出しており、より俯瞰的に、軍事クーデターの無慈悲な実態を目の当たりにさせられる。

資源の利権を巡るチリと米国間の経済的対立や、南米に成立した社会主義国家に対する民主主義国家・アメリカの危険視といった、チリ・米国間の国際関係の緊張が軍部によるクーデターを誘発したという恐怖の真実を明らかにする。銃撃戦によるアジェンデ大統領の死亡、そして無実の市民をも巻き込んだ粛清と処刑の嵐。人々の自由を奪う人道に反する行為。その片棒を、自由の国のアメリカが担いでいた事実に、世界に対し「自由」を強力に推し進めてきた超大国の欺瞞と欲望が浮き彫りにされていく。

特定の人物に感情移入できるようなつくりではないし、一本筋の通ったストーリーがあるわけではないので、悪く言うと散漫な印象。クーデター発生前と発生直後で、時間軸が過去と現在を頻繁に行ったり来たりするので取っつきにくさ・分かりにくさはあるものの、チリ全土を襲う「見える恐怖」とその裏で暗躍する超大国アメリカの「見えない恐怖」に圧倒される。

また、お手製のバリケードのみを頼りに抵抗を続ける人々に迫りくる戦車の映像や、スローモーションの多用など、映像・演出面でも印象的な場面が多くある。
RAIN OVER SANTIAGO,This Rain Nothing But A PAIN!
本作が長い!と思う方はオムニバス作品セプテンバー11のケン・ローチのパートだけでも見てみて下さい。
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.3
チリ軍事クーデターをドキュメンタリータッチで描く映画で、同じテーマの作品といえばガヴラスの『ミッシング』、ポランスキーの『死と処女』、リティンの『戒厳令下チリ潜入記』、山下耕作の『戒厳令の夜』なんかがあるが、傑作か否かはさて置きまあ揃いも揃って地味なもんで、本作も例に漏れず恐ろしく淡々としているんだが、アストル・ピアソラの音楽が意外と主張してて堅苦しさは残らなかった。ビデオ題『特攻要塞都市』は何の冗談だよ。
チリの首都サンティアゴを活動拠点にしているフランス特派員が、前代未聞のクーデターを目の当たりにしてしまう。1973年9月11日に発生した実際の出来事「チリ・クーデター」を題材に取っている、ノンフィクション映画。

天下のアメリカ様が内政干渉して、裕福層と労働者の階級闘争が吹き荒れている状態のチリでの物語。世界初の自由選挙で労働者出身のアジェンデ政権が発足するのだが、「裕福層、軍部、アメリカ」が不服を唱えて、新政権と共産主義者を武力で圧殺してくる。

本編ではクーデター発生当日から1970年の大統領選へと遡り、「どうしてこうなってしまったのか」を語っていく形式を取っている。前半ではプロパガンダ合戦、後半では軍隊と左翼の武力衝突が描かれる。

銃撃戦の着弾表現と建築物の破壊描写がいまいち弱いが、戦車が少しずつ接近してくるときの恐怖感や、終戦間際の死屍累々とした光景は凄まじい限り。平時があたりまえになっている日本人だからこそ鑑賞すべき作品。平時でいられることの大切さがよく分かる。
athihe

athiheの感想・評価

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音楽はピアソラ 会見時にピノチェト将軍ら、軍部はサングラスをかけている
獅子王

獅子王の感想・評価

4.2
チリで起きた軍事クーデターの話。

自由選挙により選ばれた社会主義政権をアメリカが裏で画策して転覆させる。事実を基に淡々とドキュメンタリータッチに描いてあって見応えあり。

朝のラジオから流れる「本日、サンティアゴは雨です」の声。チリの首都サンティアゴには、滅多に雨が降らないというのに。

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