truth 〜姦しき弔いの果て〜の作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「truth 〜姦しき弔いの果て〜」に投稿された感想・評価

死んだ彼氏が佐藤二郎さん。
月曜の彼女。水曜の彼女。金曜の彼女。
3人の彼女たちが出会って自分が一番愛されていたというマウントをとる会話劇が約70分。
最後のオチが残念…。で仕方ないです。
映画と言うよりは舞台って感じ。初っ端からエグめの下ネタマウントは個人的には飛ばし過ぎでは?と感じてしまった。受付嬢のマウントも若干くどかったかな…

ただ後半話の流れが見えてきた所らへんからは面白かった。そういうテンションで見てなかったから全く気付けずしてやられた感。チッキショォーー‼︎
janjangogo

janjangogoの感想・評価

4.0
女性3人の会話劇。ワンシュチュエーションで繰り広げられる展開は、
飽きがちになるが大体だがこの映画は違う。
冒頭の女の狂気さながらの乱闘シーンからのタイトル。そして静まり返った”この世を去った彼の部屋”で始まる舌戦。マウントを取りあうなかで、
それぞれの女たちの彼への想像を絶する愛の物語が浮き彫りになる。

ただの姦しい女同士の本音バトルで終わるのかと思いきや、映像のタッチ、美術、衣装とヨーロッパ映画をどこか彷彿される作風は堤監督のセンスと言えるのだろうか。そして音楽。ピアノの旋律が実に素晴らしい。

3人の女優たちがまだまだ世に知られていない3人とはいえ、生生しさがどこかあり舞台のような空間を画面の前でも感じられる。

確かにレビューにあるとおり本音という意味で嫌らしい言葉の応酬もあるが
女子校ってこんなものなんじゃないか?と納得できる部分も多いし、なんとも熱量が半端ない。たぶん監督、女優を主軸に堤組最高峰のスタッフの半端ない気力が感じられる。

堤監督作品だから。と決めつけずにまずは一度劇場でみるべし。
最後はものすごく潔いほどの開放感を得られる真骨頂だと言えるだろう。
 シチュエーションコメディである。佐藤二朗がカメオ出演している死んだ彼氏は、3年前から3人の女と同時に付き合っていた。しかし曜日を分けて、ひとりと会うのを週一回にして、それを厳格に守っていたから、女同士が3年間、奇跡的にバッティングしなかった。葬式のあと、3人がそれぞれの鍵を使って彼氏の部屋に入室したときが、互いに初見だったという訳である。
 映画はその瞬間から始まる。そして同じ場所で終わる。だから出演者は3人の女だけだ。多少のアクションもあるが、大部分は会話劇である。互いにマウンティングをしたり、差別化を図ったり、優劣を主張したり、怒ったり笑ったり泣いたりと、いろいろ忙しい。しかし不思議なことに、女たちは3股をかけていた「彼氏」のことは少しも非難しない。3人の女たちはただひたすら、自分こそ「第一夫人」だと互いに張り合うのだ。

 映画のタイトルは「truth」だが、副題は「~姦しき弔いの果て~」である。3人の女たちは、昭和の時代に活躍した漫才トリオ「かしまし娘」の登場ソング♫女三人揃ったら姦しいとは愉快だね♫の歌詞のように、大変に賑やかであるが、それは亡くなった彼氏に対する彼女たちなりの弔いの形でもあったのだろう。それが「姦しき弔い」の部分である。
 続く「果て」の部分が本作品のラストシーンとなるが、その前にタイトル「truth」の種明かしがある。なるほどねと思った。おそらくではあるが、プロデューサーも兼ねた3人の出演者の原案は「姦しき弔い」としての会話劇から「truth」を跳躍板として「果て」のラストに至るというものだったと推測される。
 なんともベクトルに富んだこの原案を貰えば、堤幸彦監督の脚本は筆が勝手に滑るように出来上がったに違いない。演出は流石にドラマチックだ。将棋のトップ棋士同士の対戦が指したほうが有利に見えるように、喋った女が有利になったように思えるような、ヒリヒリする会話を展開する。百戦錬磨の堤監督にとってはお手の物だったのかもしれない。
 とても濃密な70分間だった。印象に残る作品である。
nt708

nt708の感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

こういうワンシチュエーションものの映画はかなり好みの部類なのだが、どこか心にモヤモヤが残った感じもあった。今回はそれ以上に単純な興味として頭の中に浮かんだことがあったのでそのアイデアを書き残したい。

まず本作を舞台でやった場合に、映画とどのような違いが生まれるのかは気になるところだ。本作の面白さは、演技以外の演出に助けられている部分もあるが、やはり会話が土台にある。もしそうだとしたら、舞台上でやったらよりその会話の生々しさが増すのではないだろうか。機会があれば、ぜひ舞台化してもらいたいものだ。

続いて、本作に対して女性が何を思うのかは気になるところ。とある男性の死をきっかけに彼が生前付き合っていた女性3人が鉢合い、お互いの過去を知る。時に直接的な性的表現を口走るのだが、男性と女性では同じものを観ても感じることは全く異なるかもしれない。その違いを他のレビューを見ながら、少しでも感じられたらと思う。

本作もまた良いのか悪いのか、好きなのか嫌いなのかよくわかっていない。ただそういった問題とは別に、考えが浮かんだのは貴重な体験だった。こうした体験が何かの発想の役に立てば良いのだが…
映画というより劇団の演劇を見ている感じで、テンポが良かった。
舞台はアトリエのみで、登場人物もほぼ3人だが、個々の性格とやりとりが面白い。
Hirosay

Hirosayの感想・評価

3.4
舞台挨拶付の上映を初めて鑑賞しました。主演の3人の女優さんが、コロナ禍で仕事が限られていく辛い時期に、文化庁の支援金を活用して、プロデューサーを兼任しつつ作成した自主映画だそうです。3人とも映画の役柄とは全然違って、とてもステキな女性でした。

映画の感想については、会話劇の語り口が最初から最後まで同じ調子なのと、性的な会話が多いため、登場人物の感情がどのように移り変わっていくかの部分にあまり興味が持てませんでした。

このレビューはネタバレを含みます

或る男(#佐藤二朗(写真・声))が事故で死んだ。
葬儀の日の夜、彼のアトリエに喪服姿の三人の女性が現れる

彼を好きだった三人の女性
元ヤンシングルマザーの栗林マロン(#福宮あやの)
美貌の受付嬢真弓(#広山詞葉)
セレブな医師さな(#河野知美)
は、それぞれ、3年前から彼と交際をしていた
そして、女性三人によるマウント合戦が始まる
果たして、その結末は…

出演者は三人のみで、男のアトリエのワンシチュエーション

しかし、三人の女優さんの、71分フルスロットルで飽きさせない展開

コロナ禍で少人数で演じるは必要性から生まれた傑作

テーマは、精子バンク
監督案の精子ロシアンルーレットを映像化するために脚本が組まれたとのこと

タイトルの truth と登場人物の名前の関係は面白かった
真(まこと)、真弓、真論(まろん)、真(さな)

キャスデングの妙というか、
当て書きされたようなハマリ具合

舞台挨拶で話されていた三人の配役を変えたものも面白そうでみてみたい

アップリンクの舞台挨拶には、主演の三人の他に、脚本の #三浦有為子 さんも加わり女性四人によるトーク

監督抜きであったこともあったのか
タイトルの『姦しき』に違わぬ盛り上がりでした
砂場JaJa

砂場JaJaの感想・評価

4.8
大いに笑いつつもよく考えると深いテーマがここにある
ネタバレあらすじはコメント欄に

うちの奥さんが三人姉妹であり、実家で集まると三姉妹のパワーに男どもは圧倒されるしかないのだった。
まさに女を三つ書いて姦しいという通り女三人というシチュエーションは怖くもありつつ、何か起きるというワクワク感がある
女三人でピリピリの神経戦というとベルイマンのカラー1作目にして大傑作『叫びとささやき』がありとにかく尋常ではないことが起きるに違いないと期待して見に行った。

結論的には想像を遥かに超える面白さ!

感想を書き留めておこう。(一部ネタに触れているので未見の方はご注意)まず全体のルックが低予算自主映画とは思えないゴージャス感があり、この辺は堤監督と撮影監督のキャリアからくる力量だろう。
この映画にはゴージャス感は必要だと思う。ワンシチュエーションのオール室内劇なので映像がチープだとなかなか厳しいものがあるが本作は映画としての佇まいの質が高かった。
まず冒頭目に入ってくる舞台となるアトリエの造詣が良かった。黒沢清の映画に出てきそうなシンプルで不気味な空間、そこで一人称のマロンの独白から始まる。すぐ畳み掛けるように二人の女が登場、それぞれ同じ男と
3年付き合っていたことが判明する。
旅行先の写真も三人がそれぞれ同じ構図に収まっており、ここはかなり場内でも笑いが出ていた。
絵や音楽が趣味のセレブ御曹司ということなので西島秀俊みたいな人が
男なのかと思っていたら佐藤二朗が写真で登場してその思い込みとの落差に笑いつつも衝撃を受けた。
またこの佐藤二朗の表情が普通のおっさん過ぎて絵や音楽が趣味のセレブ御曹司には全く見えないw
海外でもここで笑いが出たということなので、グローバルに笑いをとれるおっさん顔だ。

もうこの時点でやばい空気が充満している。うちの奥さんの三姉妹もそうだが、女三人は往々にして2対1のヘゲモニー争いになることが多い。組み合わせは都度変化する。
本作も最初はさなが一人超然とクールであり全体をコントロール、マロンがそれに説得されて真弓が孤立。
このままさなが上から精神的に支配する長女のようなポジションなのかな、、、と思いきや突然の豹変。奇声を発し喪服で床を這いつくばる様は貞子のようなホラーを思わせ、ここで爆笑してしまった。
この辺りからはマロンと真弓が連帯し、さなが謎の女になってくる。
巻舌の英語まじりの会話をするさな、何か隠しているのでは、、初めはお間抜け風キャラだった真弓が鋭い勘を働かせる。
この辺のポジションチェンンジのシフトが自然でうまい。
三人の演技力と堤監督のゴージャス感が素晴らしいコラボになっていると思う。

劇中で登場する鍵を握るシュルレアリスム風の絵も素晴らしい。たまに劇中で登場する小道具としての絵がしょぼくてげんなり
することがあるが本作は、絵単体としても素晴らしい作品をきっちり配置してありその辺は製作陣のこだわりを感じる。



<💢以下はラストシーンに触れています💢>
パンフレットによると精子バンクというテーマがまずアイディアとしてあったとのこと。
本作は医療倫理的にも難しい問題に対しコメディでありつつも深く考えさせられる。男は毎週精子を提供していたので3年だとすると150本近くになる。彼は生前は女性側が中でもいいよと言っても頑なに避妊をしていた。彼の自死を想起させる発言もありなんで死後に精子を残したいのか謎行動であるが男は”子供を残すことがアートだ”と言う言葉を残している。
調べたら海外では1972年に冷凍保存した精子で28年後の2001年に妊娠、出産に成功した事例があるらしい
自分の分身みたいなものが死後も何十年も残っている、これは例えば映画と言う作品自体もそうだろう。
出演者や監督にとって作品は子供のようなものであり、死後も何十年何百年も残りアートという子供を残す。
また複製芸術である映画は精子バンクのようにフィルムやデータファイルとして多数に増殖する。

ヤンキーだった真弓は高二で子供を産み、さなは高二で子どもを堕し医学部に進んだ。
さなが言うようにもし子供を産んでいたらと考えると三人はパラレルワールドにいるのかもしれない。
三人とも互いに誰にでもなる可能性はあったし、同じ漢字の名前からしてもベルイマンの『仮面/ペルソナ』のように三人は多重人格で実は一人だったという世界線もありえたかもしれない。
そういえば『仮面/ペルソナ』も多重人格の話に、焼け落ちるフィルムなど映画の複製性をイメージとして被せてきたのだった。

最後の決断はシンママになるかもしれないし実際問題リスクのある選択であるがラストシーンの三人の表情はこの映画の中で一番穏やかで美しい。
堤幸彦監督が、自身の映画監督50作目として手掛けた自主制作映画では、恰も濃密な舞台劇のように、同じ男を愛した3人の女が本音剥き出しでぶつかり合う様が繰り広げられる。
或る男が事故死し、その葬儀が終わった夜に男のアトリエに喪服姿の3人の女が鉢合わせする。
マウント命な美貌の受付嬢、元不良のシングルマザー、謎多きセレブ医師という全くタイプの異なる彼女たちだが、共通するのは彼女らは3年前から同じ男と同時期に付き合っていたこと。
それを知った彼女らは、己のプライドをかけて舌戦を繰り広げ、やがて思い掛けない「真実」に辿り着く。
「ひとつぼっち」の広山詞葉さん、声優の福宮あやのさん、「父の愛人」の河野知美さんが共演し、佐藤二朗さんが静止画と声で出演しているが、そのまま舞台化出来るような熱量で会話劇が展開する。
彼女らは舌戦果てに何を見出だし、そしてどう行動していくのか?
男女の恋愛模様だけでなく、或る意味、女の性が浮き彫りにされたような結末だと思う。

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