魚を釣る男達と、ただ娼婦としてしか扱われない女達。
そんな中、女が戯れで仕掛けた餌でかかった魚を、罪を抱えた男は逃してしまう。
女は男に惹かれ、濁った水の情念を向けるが、やはり男にとって女は娼婦なの…
女性に対して偉ぶり、一方的に搾取し、そのくせ女なくしては生きることのできない幼稚で愚かな男どもを徹底的に描く一方で、監督自身の「女に愛されたい、受け入れられたい」という身勝手な欲望も透いて見えるよう…
>>続きを読む叙事的な景色のなかの狂気。
騒々しく話しすぎる男どもや娼婦たちと対比で描かれる、主人公の無言の情念。
釣り針を呑み込んだ男を肥溜めに突き落とし、そのあと釣り上げる描写は吐き気モノ。
一言の台詞も…
このレビューはネタバレを含みます
<美しくも残酷な大人の寓話>
舞台は山あいの湖で、釣り人と訳あり人だけが集うような閉ざされた空間。管理人のヒジンは、そこに生活の全てがあって、この地に縛られているようでもあり、逃亡者のヒョンシクは…
うわあ、これはこれまで見てきたキム・ギドク監督作品の中でも、遺作「人間の時間」と並んで嫌いな人は全く受け付けることができないであろう怪作だなあ。
個人的には、やはり、監督の強い意思を感じられる作品…