紅夢の作品情報・感想・評価

紅夢1991年製作の映画)

大紅灯篭高高掛

製作国:

上映時間:125分

4.0

「紅夢」に投稿された感想・評価

櫻

櫻の感想・評価

-
籠の鳥は飛べないように、彼女たちに自由はない。それぞれにあてがわれた豪華な部屋は無機質に監視し、装飾の綺麗な服は自由を束縛する。張りつめた緊張感と息苦しさが全編を通して漂う。ここでは主人に選ばれることを待ち、選ばれたことを見せつけることでしか生き抜くことができない。赤提灯が自分の前に灯ることは、主人からの愛の象徴であり、権力の象徴でもある。「女は男にとって服と同じ。好きな時に着て捨てられる。」これは主人公の台詞、本作の多くを物語っていると思う。しきたりの中で主人がその座を揺るがぬものとするために、女は女でいること、後継を宿すことだけが求められる。そこに人間的なものは感じられず、人工的なモノとして扱われているように見えた。主人公は主人に選ばれたい思いと、ひとりの意思ある人間として生きていきたい思いとで、だんだんと精神が崩壊していってしまう。それもそうだ、こんなに狭い空間に閉じ込められて、誰も信じられないなんて辛すぎる。未練も執念も死んでも葬られることはなく、亡霊となってこの狭い空間を彷徨っていくことだろう。こんなに赤色が恐ろしく虚しく見えたのは、はじめてかもしれない。
SAKURA

SAKURAの感想・評価

4.5
大学の授業で観てめちゃくちゃ面白かった。何日かこの作品が頭から離れなかった。
No.828[大傑作!紅に染まった妾たちによる狂気の権力戦争] 99点(OoC)

主人公が静かに発狂する。素晴らしい。なんて私好みの映画だろう!
主役のコン・リーは強かに見えるが、役柄的には感情論で動くおバカさんだったので騙された形になってしまったのは残念だけど。

実父の亡くし養母に売られるように地主の第四夫人となった主人公スンリェンは屋敷の伝統に縛られた生活を強いられる。それは、主人が夜を過ごす妾の院の提灯に火が灯り、主人の好みに合うよう”足打ち”をされ、翌日の食事を選ぶ権利を与えられる、というもの。
正夫人は壮年に差し掛かり、成人した息子がいる。既に死人のようであり、登場回数も少ないが、妾たちには絶大な影響力を誇り、主人がいないときは屋敷の決定権を持つ。
第二夫人はスンリェンに優しく接し、屋敷での過ごし方などを教える。が、こういう場合の”気さくさ”は注意が必要で、地獄へ続く善意の道を悪意を持って引き続ける人物である。
第三夫人は京劇女優であり、どの夫人にも冷たく接するが、実は一番理解のある人間であることが分かってくる。
強かに生き残るためには手持ちカードが少ないのが明白だ。そして、自ら袋小路に入っていき、理解者たり得た小間使いや第三夫人を失ったのには同情を禁じ得ない。主人公が雪化粧の中発狂していく様は、今年一の映像美とも言えるだろう。広大な屋敷で孤独を募らせる主人公を突き放したようなロングショットは忘れ得ない。

主人の愛という抽象概念を提灯の点灯で表す具現化には惚れ惚れするし、敢えてその主人を画面上で言及しないのには脱帽だが、それ以上に本作品は”音の映画”であることを言いたい。広大な屋敷ではあるが音を遮ることは出来ず、第三夫人の歌や足打ちの音、若旦那の笛、遠くでの会話などが薄っすら聞こえるという精神破壊にはもってこいの場所だ。その分、雰囲気を盛り上げるだけの安い音楽が若干導入されているのは残念に思う。

イーモウは赤が好きなんだろう。赤には人間が潜在的に恐怖を抱くようになっている。発狂した主人公が第三夫人の部屋で提灯に火を付けまくるシーンは是非ともリマスターして欲しい名場面だ。
人工物しか出てこない。フェイプーだかと別れるところと夫人が殺されるところのロングショットがよい。一方でランタンを吹き消すところを収めてたりと奇妙な映画
ポリプ

ポリプの感想・評価

3.8
中国映画「紅夢」

寒村の出の主人公は、金持ちの屋敷の第四夫人となるべく嫁いできました。

屋敷には、本妻(第一夫人) 第二夫人 第三夫人が居ました。

そして意地悪?な召し使いも居ました。
yadakor

yadakorの感想・評価

3.0
対称性のある構図は美しいんだけど、あまりにそれ一辺倒すぎるような
時代設定がわからん1900年前後くらいか?
女性の陰険さは時と場所を選ばないなあと思ってしまった
主人公の女の子は、狂っていくというよりもはじめから性格がかなりきつそうだが、、
Moeka

Moekaの感想・評価

3.7
女たちは籠の中の鳥。父性権力の象徴である赤い灯篭の灯されるのを待つばかりでそこには意思も自由もない。蠱惑的な赤い灯篭とまるで牢獄のような灰色の建物のコントラストが恐ろしく哀しい。圧迫された女性達の愛憎と男の罪は亡霊となってさまよい続ける。
さちん

さちんの感想・評価

3.8
大学の中国語授業で観た映画。
思い出して再鑑賞。

2回目も面白かった。
大好きな中国映画の一つ。
閉鎖的な空間で精神崩壊していく主人公の描き方が素晴らしい!
劇中を彩る紅い提灯の美しい事…

私の大好きな精神崩壊シリーズ。
デジタルリマスターでDVD化するべきだ!
みどり

みどりの感想・評価

3.9
同じ場所でゆっくり流れる時間を、こんなに綺麗に撮れることに感動した。
人間関係の変化に、何度も息をのんだ