原作は南條範夫の『被虐の系譜』である。武士道や貴人崇拝という概念がマゾヒズムと分かちがたく結びついていることを描いた小説なのですが、映画版では原作にあった「天皇崇拝」という究極のマゾヒスティックなエ…
>>続きを読むベルリンの金熊賞受賞作。萬屋錦之介が老武士から小姓、特攻隊員、サラリーマンなど、7役を演じ分けるところが見どころ。特に小姓やサラリーマン姿は新鮮だった。
どの話も辛すぎて、観ていて苦しい。救いようの…
原作者は平時には物静かな日本人が戦時中に見せる残虐性をたどりながら江戸時代からの残酷性を見せるような本をたくさん書いていてこれはそのひとつを原作にしている。
7つのパートにわかれているけどそれぞれ…
愛する南條範夫の『被虐の系譜』が原作。
「所詮、自分たちだけではどうにもならないのね、と杏子は言った。
あの残酷な歴史、飯倉家に伝わる日誌を読んだ私が、かくは生きまいと誓った私が、知らず知らずのう…
今井正監督作品。
ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品。
中村錦之助演じる飯倉進の婚約者杏子が睡眠薬での自殺未遂をする。飯倉は故郷信州で見つけた一族の日誌に書かれたことを思い出すが・・・という話。
関…
1963年の今井正監督作品。
戦国時代から現代まで7代にわたってある一家を描く。壮絶の一言。どんなに人間性の欠片もなく守る価値のない主君でも命を賭して仕えなければならない悲劇。日本人特有の加虐性・被…
「切腹」のような復讐劇をジョジョの様に何世代にも渡って繰り広げる系のやつかと思ったら、ただただ何世代にもわたって理不尽に主君から仕打ちをうける武士=社畜の話だった。。
日本人の被虐的美徳はクレイジ…
このレビューはネタバレを含みます
「武士道とは死ぬことと覚えたり」
江戸中期に書かれた葉隠の有名な一節であるが、これを地でいくなかなか凄まじい内容だった。主君の命には絶対服従の封建体制下において様々な理不尽と絶望に満ち満ちた侍の生き…
よく作ったものだ……と感心してしまう。逆に言えば、この感心が全てである。
導入部はかなりいい。これから先を期待させるものである。しかし、先に進むにつれしつこさを感じるよくになる。全編ヤマ場という感じ…