クローノフの中ではわかりやすいストーリーだったのだと思う。歴史上の人物をモデルにした話にあまり個人的に興味が持てなかっただけ。
マザー、サンやエルミタージュ幻想のような挑戦的なものを期待していたの…
独裁者たちのときまで変わらず、威光を感じない権力者と無時間性の映画。朝か夜かも分からない霞んだ空間で女がオリンピアみたく機械運動してるショットは冥界のよう。
ソクーロフ映画においては傍観者というか…
ソクーロフによる権力者4部作の第1作。
アドルフ・ヒトラーとその愛人エバ・ブラウンが、腹心のゲッペルスと妻マグダ、道化じみたマルティン・ボルマンらを迎えて山荘ベルヒデス・ガーデンで過す束の間の休暇を…
「独裁者たちのとき」のまったり感はここでもみられる。私の好きなソクーロフの幻想的な映像美を堪能できたけど、ちょっと眠くなった。霧深い山の頂きに浮かぶように佇む別荘は、まるで地に足がついていない印象を…
>>続きを読む霧のなかに佇む洋館みたいな要塞みたいな場所でヒトラーたちが団欒する光景は、裸の少年少女がいない『ソドムの市』のように見えなくもなく、確かにおぞましかった。ソクーロフの作品は、たまに霊性ただようムード…
>>続きを読むエレーナ・ルファーノヴァの脚を使った指揮がナチス式敬礼のかたちを成す一瞬のユーモア。乳白色の霧に覆われる幽界めいた山岳の風景は空気の薄さが光の薄さに直結しているかのよう。山荘内部の監視カメラめいたシ…
>>続きを読むレーニン、ヒトラー、昭和天皇と続く支配者三部作の2番目に当たる、ヒトラー編。
愛人エヴァの目から見た独裁者の有様を距離を置いて描いている。他の支配者たちと比べてまるで堂々としたところがなく、その臆…