ニクガタナ

少女は自転車にのってのニクガタナのレビュー・感想・評価

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)
3.6
サウジアラビア初の女性映画監督による、イスラム少女の生きる道。鑑賞中ずっとイライラ。他国の文化に憤ってどうすんだとは思えども、気持ち悪い。少女目線で描かれる男尊女卑でバカバカしい戒律や風習に同情しかない。監督はイスラムのおかしな宗教文化の是非を世に問いたかったの?劇伴が仄かに不穏な香り漂わす良い仕事。主人公の女子ワジダが通う女子学校の女校長に憤懣やるかたない。女子が自転車に乗るなんて!って彼女にとってはそれが正しい教育なんだろうが、女性が女子の自由を奪う感じが虚しさ満点。子供達の佇まいが実にリアルで皆表情が薄暗い。ワジダの家の暮らしぶりは一見良さそげだが、母親が旦那の愛情繋げておけるかどうかの危うい生活。家の屋上で見る、旦那と第二夫人との結婚式の花火が哀しい。ワジダと幼なじみ君との関係は冒頭から微笑ましく、最後も爽やかなんだが、交通事故にでも遭いやしないか気が気じゃない。公開から10年。サウジの社会環境は少しは変わったかしら?
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