戦地のモノクロ映像と、カラーの現在(1972年当時)が交錯する反戦映画。モノクロが抑制ではなく却って、生々しさを感じさせる。林光の音楽で静かに始まるため、深作作品であることを一瞬忘れてしまう。
左…
モノクロの戦場写真、南方で飢餓にあえぐ兵隊とカラーで撮られた浮浪者や盲目となった男の対比が印象的。
帰還兵の回想といえば本作の十年前に江分利満がやっているが、これほど昭和二十年からの時間的、心理…
毎年この時期になると、必ず戦争を題材にしたものを観るようにしてるけど、今作も色々と考えさせられるものだった。
戦地の最前線という極限状態に置かれた時、どのように振舞い生きて行くことが正義なのか?普遍…
新文芸坐にて塚本版野火と併映。
ひたすら映像の凄みで訴える野火と比べてしまうと、いささか説教的過ぎるように感じてしまうのと、左幸子がことあるごとに喚くのに少しイラついてしまった。
丹波哲郎に限って芋…
塚本晋也版野火との二本立てだったが、どちらも戦争と現代を結びつけるような映画だった。
この映画を観て映画ファンなら誰でも原一男の「ゆきゆきて神軍」を想起するだろうが、こっちの方は劇映画としてしっかり…
このレビューはネタバレを含みます
ゆきゆきて、神軍と実はかなり似た構造を持った映画。
第二次大戦下の人肉食や上官の理不尽極まる命令、兵士の非業の死が描かれます。しかし当時を語る資料はあまりに少ないのか(意図的に処分したのか)、それ…
壮絶。脚本に新藤兼人が名を連ねているだけあって、後の『わが道』みたいな藪の中テイストがある。それでいて深作的な激しさと緊迫感で釘付けになる。「末端に対して誠意がない」って台詞は今も昔も当てはまるよな…
>>続きを読む夫が敵前逃亡の罪で処刑されたという通知に納得がいかない未亡人が、戦後20年経って生き残った当時の関係者に話を聞いて回るうち、痛ましい真相が明らかになる。戦争のむごさと愚かしさ、その犠牲の上に築かれた…
>>続きを読む東京・渋谷ユーロスペースで、現役日藝生の企画・運営による映画祭「映画と天皇」にて鑑賞。戦争における苛酷な現実と不条理を描き、そして天皇の戦争責任をチクリと刺す映画なのだろうか。
昭和27年、「戦没…