陸軍に投稿された感想・評価 - 10ページ目

『陸軍』に投稿された感想・評価

戦争中の国策映画なのだけれど、そうなっていないところが素晴らしい。木下恵介監督の力量を感じずにはいられない。出征する息子を追う田中絹代の迫真の演技が痛々しい。

忠君愛国の時代。男子は天子(天皇)に捧げるものと教えられ、社会や家族も信じていた(あるいは信じたふりをせざるを得なかった)。

そんな窮屈な世の中でのプロパガンダ映画のはずだが、男たちの硬直した競争…

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efn

efnの感想・評価

3.9

 国家の論理で塗り固められた脚本を俳優演出が悠々と超えていく。いくら笠智衆演じるナショナリストが日清日露戦争を我が事のように思っても、神風の非合理性を信仰し、子を修身の教科書に土下座させようと、我が…

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笠智衆は若くても、御前様である。
昭和19年11月の陸軍省後援映画だけに、その後を知ってる未来人としてはなんとも複雑。

田中絹代さんがすてき。

刺さった。陸軍から依頼されプロパンガンダ映画になるはずだった戦時中の作品。
それを見事な流れで反戦映画に昇華している。木下恵介はこれで情報局に睨まれ、松竹に辞表を出したそう。
盲信的でガチガチの軍国…

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ほとんどの戦争映画は戦後に撮られたものなので「この戦争は負ける」と知っている立場から撮られるのだが、この映画は(敗戦必至の1944年に撮られたとはいえ)そういう前提がなく、ロケ地や出演者も戦時中のま…

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Few

Fewの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます


日本は素晴らしい国で、戦争に負けることはないと終始訴えてくる。
しかし、その瞳には当時の日本国内に対する疑念と、抵抗のまなざしが光っている。

戦争高揚映画ではないと見抜かせなかったポイントは、母…

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みちる

みちるの感想・評価

4.5
この時代の映画の
言わない何か、伝えない何か、みたいなものがすごく好きで、
大きな大きな作品、というか、作品よりも大きな物、を遺してくださったんだなと改めて思った。すごい
さっ

さっの感想・評価

4.5

こんだけ右翼な会話が続くのに最後は反戦映画に全振りするのが凄い。出征の日の朝以降はもはやネオレアリズモ。軍人勅諭をボソボソ呟き、路地を駆け抜ける田中絹代!(『西鶴一代女』のラストだし『天井桟敷の人々…

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denil

denilの感想・評価

4.0

当時の町・人の雰囲気を感じたくて見ました!幕末の武士道に従順な人々(忠義など精神面が素晴らしいが、悪い意味で精神論が強く感情的)や、(西洋文化からの影響なのか)柔軟で頭が柔らかく大局的なものの見方を…

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