忠君愛国の時代。男子は天子(天皇)に捧げるものと教えられ、社会や家族も信じていた(あるいは信じたふりをせざるを得なかった)。
そんな窮屈な世の中でのプロパガンダ映画のはずだが、男たちの硬直した競争…
国家の論理で塗り固められた脚本を俳優演出が悠々と超えていく。いくら笠智衆演じるナショナリストが日清日露戦争を我が事のように思っても、神風の非合理性を信仰し、子を修身の教科書に土下座させようと、我が…
>>続きを読む刺さった。陸軍から依頼されプロパンガンダ映画になるはずだった戦時中の作品。
それを見事な流れで反戦映画に昇華している。木下恵介はこれで情報局に睨まれ、松竹に辞表を出したそう。
盲信的でガチガチの軍国…
ほとんどの戦争映画は戦後に撮られたものなので「この戦争は負ける」と知っている立場から撮られるのだが、この映画は(敗戦必至の1944年に撮られたとはいえ)そういう前提がなく、ロケ地や出演者も戦時中のま…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
日本は素晴らしい国で、戦争に負けることはないと終始訴えてくる。
しかし、その瞳には当時の日本国内に対する疑念と、抵抗のまなざしが光っている。
戦争高揚映画ではないと見抜かせなかったポイントは、母…
こんだけ右翼な会話が続くのに最後は反戦映画に全振りするのが凄い。出征の日の朝以降はもはやネオレアリズモ。軍人勅諭をボソボソ呟き、路地を駆け抜ける田中絹代!(『西鶴一代女』のラストだし『天井桟敷の人々…
>>続きを読む当時の町・人の雰囲気を感じたくて見ました!幕末の武士道に従順な人々(忠義など精神面が素晴らしいが、悪い意味で精神論が強く感情的)や、(西洋文化からの影響なのか)柔軟で頭が柔らかく大局的なものの見方を…
>>続きを読む松竹株式会社