ミス・マルクスの作品情報・感想・評価 - 8ページ目

「ミス・マルクス」に投稿された感想・評価

19世紀後半の話なのに、パンク・ミュージック使っているというところが面白いなぁと思って映画館へ見に行ってみました。

エレノア・マルクス嬢は、児童労働の禁止,労働者の権利向上,女性の地位向上等に貢献した素晴らしい方みたいなのに、映画の中では、クソ男エドワードに振り回されただけの人になっていて、何だかトホホな作品でした。

あと、パンクももっと欲しかったですわ。
築浩

築浩の感想・評価

2.4

このレビューはネタバレを含みます

[Screen] #1
ポスターrビジュアルのようなロック・MISS MARXを期待していましたが、終盤あたりに少しだけでした。カール・マルクスの末娘のお話しです。時代的な部分もあるのでしょうが"メアリーの総て"や"ストーリー・オブ・マイライフ
”と被る部分も多かったように感じました。 女性人権の向上運動をした半面、自分は自他ともに認めるクズ男にぞっこんと、アンビバレンツが観賞中付きまといました。

また、プロイセンからイギリスに出てきたので、本編ほぼ英語は何となく腑に落ちますが、過去回想シーンは、もう少しドイツ語で表現してほしかったです。
 高校生の頃、5月5日生まれの友人がカール・マルクスと誕生日が同じだと話していたのを思い出す。マルクスは1818年にドイツで生まれ、1883年にロンドンで死んだ。同時代の偉人に1821年に生まれて1881年に死んだドストエフスキーがいる。音楽家のリストやショパンもマルクスと同時代の人である。
 本作品では幼い頃トゥッシーと呼ばれていた主人公エリノア・マルクスの生涯が音楽とともに描かれる。ロックは不案内なのでよくわからなかったが、クラシック曲はリストのラ・カンパネラ、ショパンの幻想即興曲、そしてショパンの英雄ポロネーズが壮大に使われていたと思う。

 エリノアは偉大な父カール・マルクスの遺稿を整理し、その思想を受け継いで労働者と女性の権利を守ろうとしたようだが、彼女の演説は何故か空疎に聞こえ、心に響いてくるものが何もなかった。父が母に宛てた手紙を読んだシーンだけが心に残った。
 2017年のフランス映画「Le jeune Karl Marx」(直訳「若き日のカール・マルクス」邦題「マルクス・エンゲルス」)のマルクス本人の論理はビシビシと刺さるものがあったのに、その娘であるエリノアの言葉がこうも空を切るのは何故だろうか。

 その理由は映画の後半で徐々に明らかになる。エリノア本人も認めていたように、彼女の心は父親に、そしてその亡き後はエドワード・エイヴリングに蹂躙されていた。それほど彼らの理論に傾倒していたということだ。尊敬はしているけど愛してはいない。相手も同じなのではないか。尊敬されているが愛されていない。
 男性なら世間の尊敬を集めることができればそれで満足だが、女性はそうはいかない。愛されなければ生きていけないのだ。愛に命をかけることはできるが、思想に命をかけることはできない。彼女の演説が空疎で心に響かなかった理由はそこにあると思う。そして、そこまで計算して演出した監督も、その演出に応えて演技した女優も見事である。

 19世紀は哲学でも文学でも音楽でも、沢山の巨人を輩出したが、その殆どが男性である。女性で思い浮かぶのはイギリスのブロンテ姉妹、そしてフランスのジョルジュ・サンドだ。ジョルジュ・サンドはフランス人らしく恋多き女性で、音楽家のリストやショパンとも付き合っていたらしい。本作品でリストやショパンの曲が盛大に使われていたのは何か関係があるのだろうか。
 いずれにしても、女性が生きづらかった時代である。エリノアが精神的に独立するには環境が向かなかったのであろう。子供を産んで母として慎ましく暮らすには視野が広すぎ、思想家として自立するには愛されることを望みすぎた。時代に引き裂かれた不幸な女性の典型だと思う。
mii

miiの感想・評価

3.3
ジャケットを見る限りでは めちゃくちゃ現代っぽいけど1880年〜のお話。

社会主義者として時代の先駆者であったエリノア·マルクスの半生を描く。

父は「資本論」で有名なカール·マルクス。
多くの兄弟の中でも 彼女だけが父親の才能を受け継いだようです。
労働者の環境改善と男女平等の権利に力を注ぐ。

活動家としては素晴らしかったのに
浪費癖と女にだらしない男と
早く見切りをつけたら良かったのに。
彼は 彼女が忌み嫌う労働者を不当に搾取する側の代表とも言えるような人物。

他人に尽くす事から 社会主義リーダーとなったけれども
それが仇となり プライベートではエイヴリングによって利用されるだけであった。

偉大な父親もまた エイヴリングと同類の男であったようです。

少女の頃に 好きな格言を「明日へ進む」と力強く答えてきたのに
彼女の最期があっけなかった。
男によって振り回されたのが残念でならない。

クラシックの中にパンクもあったりとか
音楽がちょっとしっくりこない違和感を感じた。

これに すご〜く詳しく書かれているので
映画を観なくとも これで彼女が分かります。
https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/g37452173/toxic-father-karl-marx-and-his-daughter-eleanor-marx-210904/
nao

naoの感想・評価

3.4
カールマルクスの末娘の話。
彼女の選択、意外だけどわかるような気もする。怒りを原動力にするタイプは馬力が凄いけど破滅型でもあると思った。

思想と現実のズレに小さな絶望を積み重ねていったことは容易に想像できる
同様の思想の元に集まっていてもみんな自分自身がいちばんそれを実現できていないし、みんながやめとけって言っててもある一点に光るものがあるがゆえに完全に見限ることができないこともある
そしてその自分の怒りや疑いの矛先が選んでしまった自分に向かうこともある

クラシックは良かったけどパンクロックは流石にあの時代には合わなかったかな〜
seapoint

seapointの感想・評価

2.2
偉大な父を持ち自身もあの手この手でその時の問題を掘り下げ論じている。女性という立場が軽んじられているのか、劣悪な労働環境や自動就業問題を肌で感じる場末の人々に声が届くのは至難。なぜなら子供も含めて労働しなくては生活がやっていけない…労働者で一揆を興して経営者を覆すか、その場合彼ら自身が職を失う可能性大だな。
政治で国全体で何とかしなくてはならないだろう。

政治とプライベートは別の話で父の不貞やら夫の体たらく振り。彼女の精神的不安になる要素たくさん。wikiによれば彼女の自殺は夫によるものとか?

劇中のショパン幻想即興曲のピアノの旋律や対照的にパンクロックな曲が流れるのだがイマイチその効果が成していない。話の流れも正直眠くなりそう。政治と恋愛、なんだか中途半端。

宜しかったのは少女時代。父と仲間たちとの共に質疑応答。ウイットも含んだ回答ありで紛れもなくそこには知識が溢れる良い空間だった。
hibiya1975

hibiya1975の感想・評価

4.0
あ、ジェットコースタームービー!なんて感じ。テンポ良き事心地良く、音楽の洒落っ気堪能、極み付けの映像の美しさよ。時にフランドル絵画、時に印象派、ノリの良いミュージックヴィオ………大好きなパターンです。主人公の人生の短くも深い流れを共有出来ました。サントラ聴きながら帰る。
MashO

MashOの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

カール・マルクスの末娘のトゥッシーことエリノア・マルクス。幼い時から偉大な父の薫陶を受け、欧米の男女平等、教育機会均等、児童労働の制限等の政治活動に尽力していきます。その一方でイプセンの人形の家を演じたり演劇人との親交も深めて行きます。そんな中知り合った劇作家エイヴリングと恋に落ち内縁関係になります。しかし彼の不実さに悩まされ遂に悲しい最期を遂げます。
彼女はある意味父の跡を次いだ偉大な政治活動家でしたが、一方で父と内縁の夫の女性関係に悩まれた一女性という側面もありました。
劇中のパンクロックが静かなシーンを突然破るのはエリノアの心の叫び声といった意味なのだと理解しましたが、私個人にはあまりしっくりきませんでした。むしろエンディングの「インターナショナル」が耳に残りました。
僕の印象では、この映画は日本人にはちょっと向かない気がする。
というのは、「ミス・マルクス」について基本的な事実を知らないだろうからだ。

例えば、「坂本龍馬」を主人公に何か物語を考える場合、「教科書で習うような事柄」はその物語の中に含めなくていい、と判断されるだろう。日本人なら、大体知っているはずだからだ。

そして、「日本人が一般的に抱いている坂本龍馬のイメージ」に反するような描き方がなされると、その「意外さ」を日本人の読者・観客は理解できるし、その「意外さ」に面白さを感じるだろう。

しかしこの坂本龍馬の物語に外国人が触れるとしよう。この場合、「坂本龍馬の一般的なイメージ」が知られていない可能性があるので、当然「意外さ」を受け取ることもできないし、だから作品を面白いと感じられない可能性もある。

というのに近いことを、この映画に対して感じた。

「ミス・マルクス」というのは、『資本論』を執筆したカール・マルクスの三女エリノア・マルクスのことで、彼女は、「労働条件の改善」「児童労働の排除」「男女平等・普通選挙の実現」に尽力した女性活動家である。

恐らくだが、イギリスやヨーロッパ諸国では、この「エレノア・マルクス」という女性は有名なのだと思う。恐らくだが、「労働者や女性の権利獲得に奮闘した女性闘士」というような、力強く真っ直ぐで信念に満ちた女性、というイメージで知られているのだろう。

だからこそ、この映画の描き方が「意外」に感じられるのだと思う。

彼女は父カール・マルクスの死後、劇作家であるエドワードと結婚する。しかし、籍は入れなかった。入れられなかったと言っていい。エドワードは前妻と離婚が成立していないのだ。エレノアは、

【多くの友人が私の元を去ると思う。でも、本当の友人は残るはず】

という強い決意で、エドワードとの「籍を入れない結婚」に踏み切る。

しかし、結婚前から分かっていたことだが、エドワードは金銭感覚がイカれている。尋常ではない浪費家なのだ。エレノアは何度かエドワードをたしなめるようなことを言うが、彼はまったく理解しない。彼女はエドワードについて、

【彼には痛みとか不安が分からないのよ】

【腕や足を負傷している人と同じようなものだと思うようにしている。心のどこかが壊れているのよ】

みたいなことを言う。エドワードの浪費癖を直すことは諦めているが、現実問題として支払いはどうにかしなければならない。

エレノアの近しい人物は、

【僕はエドワードが嫌い】

【エドワードと一緒にいたらダメ。自分買ってで、その上あなたをダメにする。ずっと嫌いだった】

と散々な評価なのだが、エレノアはエドワードに惚れているようで、周囲の話を聞くことはない。

映画では、このような「ミス・マルクス」の姿が描かれる。「女性闘士」のイメージを抱いていれば、なかなかのギャップだろう。

さて、繰り返すが、恐らく日本人には「ミス・マルクス」に対する事前のイメージはないと思う。だから日本人はこの映画を、「ミス・マルクスと呼ばれている人物が何をして、どんな風に評価されている人物であるか」を理解しながら、同時に「そんな彼女がダメな男に捕まって身を滅ぼしていく過程」を知ることになる。

だからその「意外さ」が上手く伝わらないのだ。

というわけで、僕にはなかなかその面白さが伝わらなかった。

日本人向けに作るとしたら、「ミス・マルクスが女性活動家として行ったこと」を中心にした方が良かっただろう。この映画では、そういう描写は結構少ない。ヨーロッパでは常識だろうから、作品にはあまり盛り込まれないのだ。断片的に語られる「女性活動家としてのミス・マルクスの姿」にはちょっと興味を持ったが、この映画では深堀りされない。

このように、「(映画に限らず)その作品をきちんと受け取るために、どのような知識・価値観・イメージを有しているべきか」というのは常に難しいと感じる。

エレノア・マルクスという女性についてある程度知識がある人は観たら面白いと感じると思うし、映画を観る前に一通り「エレノア・マルクス」について調べるというのもいいだろう。

繰り返すが、この映画は恐らく、「エレノア・マルクスの”意外な姿”」を描くことが主目的なので、「エレノア・マルクスの一般的なイメージ」を持っていないと、その主目的を正しく受け取ることは難しい
あこ

あこの感想・評価

3.3
エリノアが子供の頃にノートに書いていた言葉、はっきりと覚えていないけど『相手に優しい言葉で伝える。怒りのまま表現して、自分の思いを無駄にしないように』…こんな内容だったと思う、怒りのまま表現しないためにもう自死しか選べなかった、もうそれくらいエリノア怒りMAXだった。その怒りが観ている私にも沸いてきて、自分の中にも同じような怒りがあることに気づかされる。この怒りはやっぱり、怒りのまま表現したり闘うことでは解決しないんだと思う。エリノアが言っていたように、loveとrespectと…あとなんだっけ。忍耐が要る。
衣装がすてきだった。

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