突如くる俯瞰カットは、俯瞰が神の視点という意味を意識付ける。あの時代を大島が俯瞰して嘲笑ってるようだ。そして最後の少年の背中にくっきりと、渚の思いが乗ってるようである。
白いものが汚れていくのは…
【1961年キネマ旬報日本映画ベストテン 第9位】
大江健三郎の同名小説を映画化した作品。大島渚が松竹退社後初めて監督した作品。三國連太郎、戸浦六宏、そしてカサヴェテス『シャドウズ』に主演したヒュー…
このレビューはネタバレを含みます
黒人兵と村人との心の交流、とかでは全然なくて、黒人兵をきっかけに少しずつ揺らぎ始める「村」というものの脆さとそれに伴って明らかになる「村人」たちの本性、その恐ろしさを描いている作品だった。戦メリのノ…
>>続きを読む『飼育』(1961)
昭和二十年の初夏。米国の爆撃機が山中に墜落、脱出した黒人兵は猟の罠にかかり村人に捕らえられ、そして黒人兵の“飼育”が始まる。しかし村は疎開者を抱え、地主との間にも悶着が絶えな…
丸く収まることで混乱を避けていたコミュニティに異国の兵隊が入り込んだことで、戦時中の役場と村の関係やムラ社会で生きていくしか出来ない人々の集団心理が浮き彫りになっていく。
外から見たらあまりにも残…
大島渚プロダクション