このレビューはネタバレを含みます
死を美化して終えること、そこには保守的な危うさがある。
封建社会では常に帰属する家の家主への絶対服従が規則であるから、自由へと逸脱することはつまり死に直結する。この体制を維持し、恩恵を得るのは男。い…
不義密通の罪を着せられた二人の, 追い詰められていく悲恋の道行き。
果たしてその道程の先に待っているのは...
『七人の侍』,『ゴジラ』と同じく, 邦画が頂点を極めていた1954年の製作。
一時期…
しみじみ傑作だと思う。
監督は『西鶴一代女』『雨月物語』『山椒大夫』と3年連続でヴェネツィア映画祭にて銀師子賞を受賞した溝口健二監督が身分が違う男女の道ならぬ恋を描いた。
時は江戸時代。
京都…
この映画、も~んのすごい傑作であった。
不義密通の咎で追われる茂兵衛(長谷川一夫)とおさん(香川京子)が、役人に追われて2人で舟に乗るシーンの美しさに目をみはる。
また、このシーンで流れる笛の音が…
『近松物語』(1954)カメラ、照明、美術、衣装などで息が詰まるくらいの悲恋ものとしての様式美を作り上げる。役者の演技も見応えがあって感動はするも、話としては安っぽい純愛ものと感じてしまいあまりノレ…
>>続きを読む恥ずかしながら溝口作品は「雨月物語」以来の2作目。日本の元祖物語作家近松門左衛門によるこの浄瑠璃劇は、日本人には慣れ親しんだ感覚であり却って陳腐に見えぬこともないけれど、海外で高い評価を受ける理由も…
>>続きを読む今で言う不倫をテーマにした物語だが、現代と違って罪の重いことこの上ない。 不義者を出した家は潰れて不義者は磔にされるという。 全てはケチな性格の主人の誤解から始まるのでこの主人に腹が立って仕方ないが…
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