異邦の地の不連続な回想劇。
口の先まで出かかった記憶によって表情は硬直し、細部は奇妙に置換して反復され、女は永遠に死ぬことはない。
触れても逃れる女への蔑視も憧憬も、追う男の愁嘆も憐憫も、終わらぬ…
人がなぜSEXの最中に相手の首筋に噛み付きたくなるか、もしくは噛まれる事を欲してしまうか、その答えがこの作品の中にある様な気がするし、こことマリエンバートを出発点として、ロブ=グリエ自身も一生出られ…
>>続きを読むアラン・ロブ=グリエ初鑑賞。パズルのようにばらばらに配置されたイマージュが繰り返され、流れるように音楽のように展開し、それはデュラスの小説を読んでいる感覚と似ていた。
『去年マリエンバートで』の脚本…
アラン・ロブ=グリエは結構当たり外れの激しい監督の一人(しかも外れの方が多い)と特集で判明したが、この監督デビュー作は個人的に当たりだった。
内容としては謎めいた女に関する漠然とした代物だったけれ…
燦々と降り注ぐ陽光、水面や植物を揺らす風、そこに息づく生き物の声、ロブ=グリエらしからぬ温もりを内包した導入部。
物語前半における男と女と車とロケ撮とくれば『イタリア旅行』や『勝手にしやがれ』を思い…
男が謎の女に翻弄されるイスタンブール奇譚。横滑りするカメラと不確かな記憶という主題で「去年マリエンバートで」の脚本もロブ=グリエであったと思い起こしつつ、微睡みの中夢か現か判然としない貴重な映画体験…
>>続きを読む(c)1963 IMEC