これは君の闘争だの作品情報・感想・評価 - 4ページ目

「これは君の闘争だ」に投稿された感想・評価

mol

molの感想・評価

4.3
めちゃくちゃかっこよかった~社会的洗脳に気づいて生き方を変える姿勢、見習いたい。3人のテンポのいいディスカッションに、推進力のあるラップがめちゃくちゃかっこよかった。占拠ライス、食べてみてぇ~。
ブラジルの政治や今回の一連の高校生が主導の学生運動、日本のテレビではまず見たことがない。ドキュメンタリー映画はこういう自分の感知しえなかった全く知らない世界に放り込まれるからいいよね。
今回の映画では高校生を主人公に描いているけど、子供・大人、市民・警察、貧困層・富裕層、男性・女性といった二項対立の間に、外側にあるグラデーションを描いているのがよかった。デモを行っているところで警察に子供になんてことするのという女性や、仕事に行かせてという女性に対して反論する男性、デモの中でキスをするLGBTQ+の二人など。特に市民と警察という対立が根深い問題だなと思った。警察の人も子供を持つ大衆層であるのに・・・。
ブラジルの政治問題、これまでほとんど知らなかったけどパンフレットも情報が体系的に描かれていて勉強になった。
Miver2

Miver2の感想・評価

4.0
ブラジルでのデモ、社会運動を映し出すドキュメンタリーは、譲れない一線を巡っての闘争の記録がとにかく凄まじかったな。
現代社会とその現実をこの映画を通して感じる事が出来てとても良かった。

教育や格差の話は日本もそんなに変わらないのでは?と思わずにはいられなかったし、公立の学校の統廃合を行う政策を巡る攻防を観ていて、日本の公務員を減らす政策をふと思い出したりもした。

この国で生きる者の一人として、この国で暮らす者の一人として、譲れない一線を守るためのデモであり、社会運動を観ていると、日本で時々聞く「対案は?」のあり得なさを改めて実感する。
そもそも問題点があって、そこを掘り下げたら何が起こるのか、それが現状でも将来的にも根深い物を残してしまうからこそ、敢えて取り組んで面倒な事を行っているのにも関わらず、既に論点をしっかり示しているのにそれを無視して言える無神経ぶり、そのあり得なさを改めて考えずにはいられなかった。

それでも後半から終盤にかけてのデモ、社会運動の行い方、悪い意味で不特定多数の人を強引に巻き込んでしまうやり方には言葉を失うしかなかったし、一般市民を守るのが仕事であるはずの警察の暴力性、その酷さには怒りを覚えた。

学校では教えてくれない事を社会運動、デモを通して学んで自分達の力の源として身に付けて行くその姿がとても良かった。
そして行って来た事、行われて来た事はまだ過程の途中でもあり、現在進行形でこの先も続くのだと思った。

正直途中、単調に感じてしまう所もあったけど、映画を通して様々な事柄や立ち振る舞いを体感出来るからこそ、この映画を観る事が出来て良かったです。
seapoint

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1.8
あぁ、10代は元気いっぱいだぁ。いやいや世界中で今もデモが起きるが、若い世代だけではない。皆一丸となって皆その代表であるがごどく、権力に立ち向かう。その結果、要求が通ったり上が失脚したり…しかし全勝ではないし死傷者に収監、あるいはより苦しめられたりする。

まぁメディアにぶーぶー騒ぐだけで腰も上げず、最近では皇室における問題デモというより行進?ではね。内容が内容だけに隣国のように規制されてしまう国よりまったく人間的ではある。

しかしこの映像を一部始終見てうんざりした気分になった。
ブラジルの貧困層の学生の将来ってどうなっているのだろう。学費が払えず中退といったことではなく真面目に学業に励んでいるのだろうか。
学業を盾にして学校がただのたまり場になっていないことを願う。
うんざりしたのはそこ。あれこれ騒ぐが学業専念しているか描かれず、また感じなかったので。かつ公共の場まで浸食して一般人までに被害を及んだことがうんざりの一つ。誰かが「税金を支払っているんだ、道を開けろ」同意。

彼らのために使用した催涙弾で学生の給食費が吹っ飛ぶ?うーむ、もっとやり方を頭で考えないと自身たちの首をしめるに過ぎなくなる。しかも今は極右派大統領なんだから。デモの中にはノリやただのストレス発散の屋輩もいるのだからそれもどうかと思うよ。
saodake

saodakeの感想・評価

4.0
ブラジルの学生たちの溢れるエネルギーをぜひ感じてほしいね。
このパワーはどこからくるんだろうか。
日本の冷笑主義が蔓延る学生、若者と彼らを隔てるものはなんなんだろう?と考えてしまう。
作中でも言われていたように結束、プロテストの方法を教育しないからなのか?
世間に関心を持たせるために道路塞いじゃうのは迷惑だけど確実に注目集めるから良い方法だなと思った。
日本でやっても大バッシングなんだろうけど、ここまで戦う人たちが出てきたら面白いのに。
ボルソナロに投票した人の意見なんかは出てこないからブラジル人の総意でも何でもないことは留意しておいたほうがいい。
劇場が割とガラガラだったのが寂しい。もっと見られてほしい。
2021年11月7日、イメージフォーラムにて鑑賞。

今年のベスト5に入るドキュメンタリー。舞台はブラジル・サンパウロ。2015年、公立高校の編成案(94校を閉鎖するという)に抗議して高校生たちが学校を占拠し、路上を封鎖する。それはサンパウロの高校だけではなくブラジル全土に広がった。

先日観たルーマニアのドキュメンタリー『コレクティブ』でも思ったが、『これは君の闘争だ』もここまでカメラが入ってるのか!、と驚く。占拠した校内も、路上での警察隊との衝突も。それらが絶妙なスピード感で編集された映像を、3人の元高校生がフリースタイルのような語りで振り返るという構成。

デモや集会でのコールやスピーチを支えるのはリズム。ドラム隊の存在感。これは2010年代の東京と同じだと感じた。映画が完成したのは2018年、極右のボルソナロ大統領が誕生した前夜だったという。悪夢到来。監督は出演者たちが危険になることを危惧し、一人ひとりに公開の意思を確認したと(そして誰もが公開に賛成)。映画上映後には約5分、監督と出演者からのビデオメッセージも流れた。地球の裏側でこの作品が上映されることへの感謝と、世界中で同じようにファシズムとたたかう人たちへの連帯の言葉。路上で声を上げたことのある人はぜひ観て!
alsace

alsaceの感想・評価

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この映画はブラジルの高校生たちの話だったけど、10年代に入ってから、色んな国でこの手の若い人達のデモの動きありますけど、その大きな流れの一部として捉えられると思う。

ブラジルの近年の問題として経済や社会の混乱があると思うので、見る際にその辺の背景が分かってると理解がより深まると思う。

日本の若い人達が一見静かな感じに見受けられるのは、劇中でも語られているように、プロテストの方法を学習してない、教えてもらってないという部分もあるんだろうなと思いました。

あとは日本特有の問題として人口構成の高齢化。年寄りの比率が高くなってるので余計に若者の意見が社会に響かなくなっているというのもありそう。

作品自体のクオリティというよりも、勢いや社会問題事態に向き合いたいと感じた映画でした。
公開初日、観に行ってきた!
ドキュメンタリーの見せ方とてもわかりやすくて、事前知識が乏しくても理解しやすい構成だった

平和的主張だと注目を得られない、難しい…これはわたし自身ギクっとしてしまうところだ

厳しい現実はあるけど最後の監督と出演者からのメッセージにパワーをもらえた
いわゆる学生運動なんだろうけど、社会が変わるのはこういうことがきっかけにもなるので、意味のあることだと思う。お祭り的な要素があるとはいえ、ひとつの目的があるのだし。ブラジルに限らず若者には未来があるのだから、若者を大切にする施策をとらないといけないと思う。特に教育。

ちょっとひっかかったのは、警察官につっかかるシーン。暴力は良くないにしても、警察は警察の役割を全うしているわけで、矛先が違うのでは?と思った。反体制の美化のような。

あと、若者以外の市民の意見ももう少し入れて欲しかった。なぜ極右の大統領が生まれることになったのか、国民投票なのだから、彼を支持する理由が国民にはあったのだと思う。そのあたりが気になってしまったので、若干消化不良。
メチャクチャ良い映画だった。

これはホント、特に若い人ほど観に行った方がいいんじゃないかと思う。

別に、「この映画に出てくる若者のように闘え」なんて思ってるわけじゃない。でも、「何に疑問を抱くのか?」「抱いた疑問に対してどう行動するのか?」を改めて考えさせてくれる映画だし、日常の中でそういう問いに直面する機会がないわけだし、今の若者にもっとあってもいいのかもしれないと感じる視点だと思うからだ。


映画についてあれこれ書く前に、まず僕の「暴力」に対する考え方を書いておきたいと思う。この映画では、高校生たちが「デモ」と称して、様々な場所を占拠したり、市議会の扉を壊そうとしたり、道路を強制的に封鎖したりする。それらの行為を、僕がどう捉えているかという話だ。

僕は基本的に、「暴力に訴えなければならない非常事態も存在する」と考えている。そして僕の考えでは、それが許されるのは「弱い立場の者が強い立場の者に闘いを挑む場合」だけだ。

【抵抗は私たちの唯一の手段】

正確に覚えてないけど、こんなことを言う人物が出てきたと思う。確かに、この映画で「学生運動」に参加している者たちは、ほとんど何も持たないものだ。

ブラジルでは、公立校に通う者は貧困層と決まっているそうだ。親は最低賃金の月250ドルで働いているのに、地下鉄の運賃が95セントもする。ある学生は、常に「家賃か食費か」の選択に迫られていた、と語っていた。

学校給食はスカスカで、1食14セントしか掛けられていないが、軍警察が学生運動を鎮圧するために打ち込む催涙弾は、1発75ドルもする。1発で529食賄えるし、この映画に映し出された催涙弾だけでも、16399食分になるそうだ。

長く独裁政権が続いたブラジルでは、今も学校教育では「デモ」「革命」「無政府主義」などについて学ぶ機会はないらしい。それどころか、議論や質問の仕方さえ、学校では教わらないらしい。恐らくこれは、公立校の話なのだろう。私立校では、状況は違うはずだ。

そしてそんな公立校に通う若者が、「より良い教育」を求めて立ち上がった。その学生運動を描き出すのがこの映画だ。

彼らは、金も教育も、後ろ盾となる団体も何も持たない。身一つで、学生という身分だけで、市や州や国のやり方に反対する。

そしてそんな徒手空拳の彼らだからこそ、僕は「暴力」は許容される、と考えている。ガンジーのように「非暴力」を貫けるものは凄いと思うが、それは理想だ。「持たざる者」が立ち上がる意思と団結を見せた時、主張を通すための手段として「暴力」が採用されることは、仕方ないと僕は思う。

というのが、僕の大前提だ。つまり、高校生たちが行う「暴力」は、行為としては良くないが、彼らの現状と目的のためには仕方ない、と考えている。映画では、イギリス女性が参政権獲得のために行った「サフラジェット運動」に言及する者もいた。その際も、死を覚悟して線路に寝転んだり、窓ガラスを割ったりと、かなり暴力的な行為がなされたそうだ。

さて、暴力暴力と書きすぎたので、この映画は「高校生が酷い行為で主張を訴えるもの」と思えるかもしれないが、そうではない。確かに彼らは、学校を占拠したり、道路を封鎖したりと、決して褒められはしない行為を取る。しかしそれは、少なくともこの映画を見る限りにおいては、「やむを得ない状況」でしか行使されない。もちろん、そういう穏やかな場面だけをこの映画では切り取っているのだ、実際はもっと酷いこともしているのだ、という可能性もあるが、たぶんその可能性は限りなく低いだろう。あくまで、僕の印象に過ぎないが。

さて、とりあえず、映画の内容と構成についてざっと触れておこう。

まずこの映画、作りがなかなか面白い。あまり観たことのないタイプのドキュメンタリーかもしれない。

映画では、学生たちが関わったデモや占拠などの映像や、当時のニュース、政治家たちの発言などが様々に映し出されるが、それらに対してナレーションをつける人物が3人いる。この3人が、学生運動の中核にいたまさに当事者であり、その3人の当事者(学生運動をやっている時は高校生だが、ナレーションをつけている時点では高校生ではなかっただろう)がワイワイお喋りをするような形でナレーションが進んでいく。

イメージでは、「映画やドラマを観ながら、その出演者たちが当時の思い出や苦労したことなどを話している副音声」みたいな感じだ。それがナレーションとして流れていく。

あまりないタイプのナレーションだと思うが、全然違和感はない。それどころか、なかなか「お硬い」印象があるだろう「ドキュメンタリー映画」というものを、かなり見やすくする効果もあるように思う。

運動に参加してた当事者が、「あー、あん時は大変だった」「ちょっとこっちの話を先にしていい?」「あ、あの頃は髪型にフラフラしてた時期だ」みたいなことを言いながら、ブラジルの状況を知らない観客にも伝わるように状況説明も入れていくという構成で、一般的なドキュメンタリー映画よりもずっととっつきやすいと思う。

それでは、映画で主に扱われる事柄を、時系列に沿って触れていこう(映画の内容は、時系列順というわけではない)。

まず学生たちが抗議運動を始めたきっかけは、2013年の「バスの運賃の値上げ問題」だった。サンパウロ市内のバスの運賃が上がり続け、通学だけではなく通勤でも大きな問題だった。お金のある市民にはそこまで痛手ではない話かもしれないが、貧困層にとってはバス運賃は大問題だ。そこで学生たちを中心に、「バスの運賃を上げるな」と抗議が広まった。

しかしその後の2015年、学生たちにとってはより重大な問題が持ち上がった。それが、「公立校の再編問題」だ。サンパウロ市が打ち出したこの計画はなかなか大規模なもので、30万人以上の学生を転校させ、93の公立校を閉鎖する、というものだった。

これに公立校に通う学生たちは猛反発した。

【知事よ、学校は我らのもの!】

と叫ぶ抗議活動を積極的に展開していく。

なぜ93もの公立校の閉鎖などという計画が打ち出されたのか。学生たちは、「選挙が近いから金を捻出するためだろう」と考えていた。しかし表向きの理由は、「公立校に通う学生
が少なくなっている」からだ。確かにデータもそれを示している。1998年から2015年に掛けて、公立校に通う学生は20万人も減ったという。

しかし、それが事実でも学校の再編には問題がある、と学生は訴える。というのも、「公立校に通う学生が減っている」というのは、ある事実と表裏一体だからだ。

それは、囚人の数である。サンパウロ市の囚人は以前と比べて4倍になっている。そしてブラジルの囚人数は世界で3番目に多いらしい。逮捕されるのは黒人、貧困層、若者ばかりだ。

要するに「貧困層の若者が通う公立校の学生が減っているのは、彼らが逮捕されてしまっているから」であり、謂われなく逮捕されている者が多い、と言いたいわけだ。確かにそうだとすれば、「公立校の学生が減っているから再編する」という主張には納得し難いだろう。映画では、

【10年以内に、学校よりも刑務所の数の方が上回ってしまう】

と主張する者もいた。

学生たちは様々な運動を展開して抗議するが、どうも状況は好転しない。このまま座して93校の廃校を見守るしかないのか。そんな中で知ったのが、チリの学生による「ペンギン革命」だ。チリの学生は、より良い教育を求めるために、学校を占拠する学生運動を行っていた。

サンパウロの学生は、これだ、と思った。

早速、サンパウロ市でも学校の占拠が始まった。先陣を切ったジアデマ高校に続いて、名門として知られるフェルナォン高校が占拠を行い、世間は衝撃を受けた。その後次々と占拠が続き、200以上の学校で生徒による学校の占拠が行われるまでになった。

これらの行動はすべて、学校ごとに決められた。生徒の判断で、占拠しないと決めた学校もある。また、占拠を行った学校でも、意思決定は非常に民主的に行われた。普段学校では、掃除も料理も女の仕事とされているが、この占拠期間中は、すべてを全員で分担した。ある女性は、「必然的に、男性優位の社会に反旗を翻す形になったのは良かった」みたいなことを言っていた。

さてしかし、学校の生徒による占拠は、あまり報道されなかった。映画ではあまり詳しく触れられないが、恐らくこの問題に対しては、「どうせ貧困層の問題だし、自分たちには関係ない」と考えている人が多かったのだと思う。ある場面である男性が、「こっちは税金を払ってるんだ。学校なんて知るか」と、学生たちに声を荒らげている場面もあった。きっとあれは、市民の大方の反応なのではないかと思う。

そこで彼らは、自分たちの主張に関心を持ってもらうために、やむを得ず「道路の封鎖」という実力行使に打って出る。学校から椅子を持ち出し、車通りが少なくなった瞬間を狙って道路に飛び出し、そのまま椅子に座って通行を妨害するのだ。

この行為に対し、軍警察が出動、学生を排除するために市街地で催涙弾を使用するなど、大騒動へと発展していく。それでようやく事態が報道されるようになり、結果的に当時の大統領の支持率が急落、サンパウロ市は学校再編を先延ばしにする、と発表した。

【ここで終わればハッピーエンドだったんだけどな】

と語っていたように、別の問題が発覚したことで争いはその後も継続することになった。そして、「すべての社会運動を潰す」と公言して大統領に就任したボルソナロ大統領の登場で、状況はさらに悪化してしまうことになる。

この映画は、ボルソナロ大統領就任直前に完成し、就任後2ヶ月で国内での上映が始まったという。監督は、映画に登場する学生たちの身の安全が保証されないのではないかと上映中止も検討したが、映画に出てくる様々な学生たちと一人ひとり話すと、「今公開しなくてどうするんだ」というような反応ばかりで、それで公開を決断したのだと、映画上映後に流れた、日本の観客向けのメッセージの中で話をしていた。

映画を観ながら色んなことを考えさせられたが、やはり一番は、「日本では、こういう学生運動は起こらないだろう」ということだ。

それは、良いことでもあるし悪いことでもある。

良い面としては、「日本の学生の環境が、ブラジルほどは悪くないはず」ということだ。日本にも私立校はもちろんたくさんあるが、別にお金があっても子どもを公立校に通わせる、という人は全然いるんじゃないかと思う。日本だってもちろん問題は様々にあるだろうが、ブラジルのような「公立校に通うのは貧困層だけ」みたいな状況にはなっていないだろうし、だからこそブラジルのような反対運動が起こらないのだろう、と捉えることもできる。

一方で、じゃあ日本で、この映画で描かれているような「酷い状況」に直面した時に、彼らと同じように学生たちが立ち上がるのだろうか、と思うと、どうかなぁ、と感じてしまう。それは決して「今の学生」に対してそう感じるだけではなく、もし自分が学生だった時に同じようなことが起こっても、立ち上がれないだろうなぁ、という感じがした。

その理由はもちろん色々あると思うが、映画を観てて強く感じたことは、「音楽」の効果はとても大きいだろうなぁ、ということだ。

ブラジルの学生たちは、抗議運動中も占拠中も、なんだかずっと歌っている。「理念」や「思想」だけではなかなか連帯するのは難しいかもしれないが、そこに「一緒に歌うという行為」が混じると、なんだかすぐに連帯できるような気がする。そして、サンバのリズムが流れているブラジルでは、「一緒に歌うという行為」は当たり前のことで、違和感がないのだろう。そして、「一緒に歌うという行為」に抵抗がないからこそ、その延長として抗議活動にもすんなり接続できるのかもしれない、と思う。

日本の場合、「人前でみんなで一緒に歌う」というのはなんとなく恥ずかしいことのように思えてしまうし、だからその先の抗議活動への接続も難しいのかもしれない、と思った。

この映画を観ると、「抗議活動」「学生運動」というもののイメージが変わるかもしれない。確かに、暴力的だったり法律に触れるような行為をしているかもしれないが、それはあくまでも目的を達するための手段であり、しかも興味深いのは、決して目的達成のためだけに一直線というのでもない。占拠した学校内でファッションショーみたいなことをしていたり、デモ中にキスをしていたりする。大声で歌って騒いで、なんだか楽しそうな感じだ。

そう、この「楽しそう」という雰囲気が凄く大事なんじゃないかと僕は感じた。

渋谷なんかを歩いていると、たまにデモ行進っぽいのを見かけるけど、日本のそれはなんか楽しそうに見えないことが多い。たぶん日本人は真面目だから、デモをやる側も、それを傍から見る側も、「ちゃんとやらないとダメ」という雰囲気になってしまうのだろう。

もっと「楽しそうなデモ」が日本にちゃんと根付くといいなとも思った。
ま

まの感想・評価

3.7
2010年代ブラジルの学生運動をまとめたドキュメンタリー。声をあげ、様々な社会問題に抗議していく高校生たちの勇姿に心を動かされた。当事者の若者3人がそれぞれの体験を通して語るナレーションも熱い!刺激的な内容だったなぁ。その後がどうなってるのかも気になる。

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