窓からの淡い日差し、陰影深い光の表情、画面外で繰り広げられる会話、父が残した振り子、成長した娘であろう人物が日記を読むように語るナレーション、父親を演じるアレキサンダー大王(アンゲロプロス)、スペイ…
>>続きを読む「エル・スール(南へ)」。
父の振り子から始まる物語。街と家の境には国境。彼は北へ来たかったわけではない。あくまで、最後まで「異国の人」であったんじゃないかと思う。
本当はこの後、南の街のパートがあ…
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《忘れ難いノスタルジーに潜む違和感》
10年に一本単位の映画作家ビクトルエリセが今年30年の時を経て新作がやってきた。まさにミニシアターへハレー彗星が近づいているこのムードにあやかって過去のエリセ…
叙情的で芸術的な素晴らしい作品。
昨日の『ミツバチのささやき』に続いて鑑賞。
昔からDVDで観ていたけど、どちらかというと『エル・スール』のほうがハマっていて、今回はじめて映画館で観て、やはりこち…
一緒に踊ったという曲のことを、観客もあまり覚えていないのが寂しい。娘との対峙を済ませて、ひとり座って佇む父親のシーン。画面のからっぽなかなしさが印象に残っている。しかしやっぱり、南に行ってからの話が…
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父子の関係.語れたことと言えなかったこと、繊細すぎるタッチで綴られる動く絵画。
ビクトル・エリセ監督作品。最新作公開記念で"ビクトルエリセ特別上映"としてリバイバルしてたので見に行ってみた。
まずオ…
たぶん思いだせば思いだすほど形がかわっていってしまう家族の記憶。子どもの知識と人づての話とポストカードの絵だけで思い描くエル・スールくらい曖昧かもしれない。確かめられるものと確かめられないものが日に…
>>続きを読む父はユダヤ教徒でレブプリカーノ(共和政府支持者)だったからこそカトリシズムに基づく保守的なナショナリストを受け入れず自身の人生を賭けて父と対立し家族を捨てた背景があり。
ユダヤ教徒であった彼が娘(六…
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