masayaanさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)

4.0

基本的には、乗れない映画である。基本的というのは、だいたい75%くらいである。乗れない理由は様々に、感情的にも審美的にもあり得るが、しかし、残りの25%でずるずると引っ張り込まれてしまう。iPhone>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

4.4

何が追いかけてくる.....何かが。それをどう解釈するかにその人のいろいろなものが出そうだけど、解釈するかしないかが最初の分岐点でもある。何の解釈も下さずにワーキャー楽しめるポップコーン・ムービーでも>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.2

これが67年とは........キューブリックの『2001』も68年とかだし、基本、この時代ですでにアートとしての映画は完成しきっていたのではないかと思ってしまうほどの完成度だ。観念的にもバッキバキで>>続きを読む

はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.5

ダブリンよりはかなり良くなった。優等生タイプの人たちにはバカ受けでしょう。コンサバ寄りのフランキー・コスモスみたいなインディー女子と、ちょっと売れた途端にマルーン5みたいなファルセットでチャラいポップ>>続きを読む

ひそひそ星(2015年製作の映画)

1.0

「何年もかけて何かを届ける」という物語内のメッセージは当然、園監督にとっての「映画を作ること」と等価であり、郵便的な願いというか、「未来のどこかの誰かに届けばいい」という決意は確かに伝わってくるのだけ>>続きを読む

裸足の季節(2015年製作の映画)

3.5

辛口ぶるつもりはぜんぜんないんだけど、それでも一応、自分の中に四つ星評価の壁というのはあって、この見事な傑作はしかし、そこを超えて来なかった。なぜだろうと考えていたら、しゅんさんのレビューがしっくり来>>続きを読む

ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

3.0

面白いような、つまらんような。ニモの身体にハンデがあるのに、物語論的にどう機能してるのか、ぜんぜん伝わって来なかった。「子どもの可能性を決めつけずに、信じてあげよう!」ということなんだろうけど、それで>>続きを読む

カルテル・ランド(2015年製作の映画)

3.0

衝撃は衝撃なんだけど、体裁を整え過ぎた映画的な編集感覚が、緊張感を削いでいる。これがある種の西部劇なんだというレビューはブログにて。↓

http://cinemaguide.hatenablog.c
>>続きを読む

10 クローバーフィールド・レーン(2016年製作の映画)

3.0

先週観て、そこそこ楽しんだ割には、何も残ってない。要するにこの手の映画はびっくり箱なのであって、油断してる人を大きな擬音・効果音でびっくりさせるなら悪戯好きの小学生でもできるのであって(後ろからワッ!>>続きを読む

アクトレス 女たちの舞台(2014年製作の映画)

4.0

女優が自分の加齢や、主に「自分から見た自分というセルフイメージ」と「他人からこう見られている自分」との乖離とどのように向き合うか、という題材からカサヴェテスの『オープニング・ナイト』的なものを想像して>>続きを読む

ワイルド・ギャンブル(2015年製作の映画)

3.0

こちらも海外では高評価で、国内では上映なしの佳作。ギャンブル依存症の借金王と、ライアン・レイノルズ演ずる胡散臭い旅人とのロードムービーで、何となくケルアック『路上』の変奏感(中年ダメンズver.)があ>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

3.0

なかなか面白く、最後までバーっと見れたのは事実。だけどやっぱり、設定的にやむを得ないのだが、もの凄いスケールの話である筈にも関わらず、『月に囚われた男』なり『エウロパ』よろしく、結局は室内劇に終始して>>続きを読む

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.6

俳優としての、というより、映画としての、そのあまりにも軽やかな身振りに嫉妬すら覚える。例の歌うシーンは、いろいろな意味で何か間違った事が起こってるんじゃないかというスリルに満ちていた。時系列でフィルモ>>続きを読む

キング・コング(1933年製作の映画)

3.5

普通に面白かった!テクノロジーによって人類が完全映画に近づいて行くこと自体は否定しないけれども、技術的制約の前であれこれ試行錯誤するのを見るのもやっぱり楽しい◎

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.4

ギャング映画、三大古典の一つ。ひとりのギャングの、暗黒街における成り上がりと転落、というのは今となってはよくある題材だが、そこに食い込んでくる不協和音のような「近親相姦」というイメージがいいアクセント>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.2

ゲラゲラと笑っているハズなのに、なぜか、少しずつ悲しくなってくる。世間のはみ出し者たるチャーリーが、自分をよく見せようとしたり、お金は自分だって欲しいんだという素振りをありのままに見せるからで、それは>>続きを読む

ブラッド・シンプル(1984年製作の映画)

4.0

コーエン兄弟のデビュー作から無駄なシーンを3分ほどカットして音楽も差し替えたりしたディレクターズカット版「ザ・スリラー」。DVDのバージョンをいちいち説明するだけの根気はありませんが、ソフトとして出回>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.0

90年代を代表する作品、という触れ込みだけで見てみたのだが、他者への憑依による代理セックスの描写に既視感があり、そうだ『her』じゃないかこれは、と思いきや監督は同じスパイク・ジョーンズ。なるほどなる>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.5

全財産である500ドルちょっとが尽きる前に、アラスカで職を得なければ死んでしまう車中泊な女の子の過ごす数日。スーパーの万引きで捕まり、足止めをくらってる間に唯一の友達である愛犬ルーシーが失踪。車のエン>>続きを読む

デッドプール(2016年製作の映画)

3.5

ワンピースとかの週刊少年ジャンプ系の漫画でもそうだけど、ヒーローの自力救済的なものを建前上は正義として描こうとする時、仁義とか、男気とか、少なくとも「無駄な殺しはしない」というのが暗黙のコードになって>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.0

なるほどこれは....すごい映画だ。すごい映画なのだろう。すごい映画なのだろうか。タランティーノ的な時系列操作が可愛く思えるほど、物語の「位相」の操作。「謎解きしてからもう1回見たい!」というより、「>>続きを読む

127時間(2010年製作の映画)

3.0

フェイク・ドキュメンタリーが好む極限状況でのサバイヴ系 byダニー・ボイル。可もなく不可もなし。

ロケッティア(1991年製作の映画)

3.5

アイアンマンと相互影響関係にありそうな、空飛ぶ男と合衆国を狙う脅威との戦い。ハリウッド映画的としか言うほかない超人的幸運とご都合主義で姫君の純潔を守れ!(この監督がキャプテン・アメリカの1作目を手掛け>>続きを読む

パニッシャー:ウォー・ゾーン(2008年製作の映画)

1.5

マーベルとライオンズゲートによるダークヒーローこと死刑執行人の闘争。男子中学生が同性だけで見に行くにはいいかも知れない。が、今となってはタランティーノの『キル・ビル』がいかに優れた映画であったかを補足>>続きを読む

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

3.0

彼らのハリウッド映画に対するポストモダン的シニシズム(映画内映画が計4作ほど登場(笑))を一応、全力にポップなものとして吐き出した感じなのだろうけど、けっこうキツい。誰しもが見逃すはずのないアクション>>続きを読む

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)

3.0

いまだ衰えぬセンスを誇示することもなく、直近では『罪の手ざわり』を撮ったこの監督の作品、という鑑賞前の期待と、傑出したフィルモグラフィーの中での相対的な評価という意味では、いささか肩透かしを食らった感>>続きを読む

プラットホーム(2000年製作の映画)

3.5

プラットホーム。それは旅立ちと帰郷の舞台であり、始まりと終わりの舞台であり、別れと再会の舞台である。しかし、ジャ・ジャンクーの00年作『プラットホーム』において、プラットホームとは流行のポップ・ソング>>続きを読む

マンモス 世界最大のSNSを創った男(2009年製作の映画)

3.0

ファミリー・メロドラマの佳作もしくは及第点作。共働きですれ違いばかりの夫婦と、親よりもシッターに懐いてしまった娘。だがそのシッターも故郷に2人の息子を置き去りにしている出稼ぎの移民であり、構図は入れ子>>続きを読む

クラッシュ(2004年製作の映画)

3.5

再見。コーエン兄弟風に言えば、異なる人種を映画的に、短時間で出会わせるための事故。『マグノリア』と『ドゥ・ザ・ライト・シング』を繋ぐ作品、なのかも知れない。ラブ&ヘイト。ヘイト&ラブ。

XYZマーダーズ(1985年製作の映画)

3.0

「コーエン兄弟って、サム・ライミ門下だったのかー」という映画検定8級レベルの事実に驚きつつ、しかしより大きな家系図の中で言えば、やはりヒッチコック・チルドレンなのだろう。とんでもご都合主義なハッピーエ>>続きを読む

ミニー・ゲッツの秘密(2015年製作の映画)

3.0

『ゴーストワールド』ミーツ『ニンフォマニアック』という前評判も頷ける、セックスに絡め取られた十代女子のこんがらがりダイアリー。海外での批評では年間ベスト級に賞賛されていた作品ですが、日本では劇場公開も>>続きを読む

ララミーから来た男(1955年製作の映画)

4.0

久々の西部劇だけど、これは良かった。55年ということもあり、西部劇が終わった後の西部劇で、題材は大きく「復讐」というものがあるのだけど、ベタなものをベタに反復する能天気さは皆無。まずもって街を仕切る地>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

4.4

映画に無関心な大衆に向けられた媚態のようにだらしない邦題もどうかと思うが、ダルデンヌ兄弟の作品にしても、この『さざなみ』にしても、裏方にいる人間がシネフィルさんたちの場合の「出来過ぎた」邦題もちょっと>>続きを読む

少年と自転車(2011年製作の映画)

3.5

ひとまずこれで、ダルデンヌ兄弟はすべて見たことになる。優れた作家が時にそうであるように、最初期から出演している俳優がその後も役を変え、髪の量を変えながら(減らしながら)出演している、ことだけがそう思わ>>続きを読む

ロルナの祈り(2008年製作の映画)

4.0

一目も二目も置いているシネフィルガチ勢な皆さまの評価が異様に低いのはなぜだろう。というのは大嘘で、確かに初期作に見られたヒリヒリ感というのはいくらか後退している。が、僕が初期の3作よりも『ある子供』と>>続きを読む

ある子供(2005年製作の映画)

4.0

その日暮らしとはまさにこの男の事で、当面の生活費のためならば妻が大事に大事に抱えている赤ちゃんを闇に流して売り払ってしまう体たらく。場当たり的な嘘、嘘、嘘の嵐で妻まで警察に売る場面は見ものだが、男はこ>>続きを読む