ロシアの文豪トルストイの原作をもとに、名匠ロベール・ブレッソンが脚色、監督。同監督の遺作となった「ラルジャン」。名作です。
裕福な家庭の少年が小遣いほしさに友人と偽札を使ったことをきっかけに、巡り…
画面ごとにみられる絵画的美しさが頭に残っている
どれほどの計算の上にこれらが成り立っているのかを考えたら頭が痛くなる
繰り返される場面、一切の隙がなくどうしようもない展開、結末
そして自分はこ…
今の社会に抗う事も、共産的な考え方に身を投じる事もできない。
主人公の目にはどちらも欺瞞に映る。
彼は良くも悪くも愚者であり、安定や現状維持の奴隷にならざるを得ない。
しかし彼のあずかり知らない所で…
ブレッソンの独自の美学はここに極まれた。映画における空間的表現は虚構に過ぎず、彼はそれをブリュイ=音でつくりあげた。しかし、どうしてブレッソンの音はここまで響くのだろう。
ドストエフスキー的なんだ…
このレビューはネタバレを含みます
83年製でこの美学はやばいっす
負のバタフライ効果…間違いを犯した瞬間、男に都度なんの手も差し伸べられなくなったのに、最後の最後に差し伸べられた手を自分で切ってしまう皮肉。
あと流石に「ドア」の多様…
フレーム内で提示される情報の整理が洗練され尽くしている
大仰な演出は一切取り除き、見せるものと見せないものの正確な取捨選択で映画の緊張感を極度に高める
ストーリーの説明は少ないが、一言で言ってしまえ…
全編に染み渡るというか横溢してしまっているロベール・ブレッソンの美学。映像的余白、いわゆる行間で"因"と"果"を縫合して因果に仕立てていく、一種の芸術のような省略演出。完璧に無駄が無く洗練され切って…
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