菊とギロチンのネタバレレビュー・内容・結末

「菊とギロチン」に投稿されたネタバレ・内容・結末

「大正時代末期の不穏な空気と閉塞感のなか、自由に生きたい、強くなりたい」と願った若者たちの話。
 自由平等の理想を抱き過激な行動を厭わないギロチン社、庶民の間で人気のあった女相撲の興行、史実を知らなかった…。作品を観終わった後で調べたら興味深いし勉強になりました。
 が、非常にスコアを付けにくい作品。うーん、なぜでしょう。出演者の演技は悪くないし。大震災、在日朝鮮、シベリア帰還兵、なかなか目を向けづらい事もしっかり描いてるのに。
 行き場を失い追い詰められたような、どうにもならなくて叫びたくなるような、胸に迫るものが何か足りない…構成の問題でしょうか。ギロチン社の若者の話だけ、女相撲一座の話だけ、別々でも面白いかも。惹かれたけれども、もう一歩。

(ギロチン社)
 中濱鐵:東出昌大
 古田大次郎:寛一郎
(相撲一座)
 花菊:木竜麻生
 十勝川:韓英恵
 玉椿:嘉門洋子
 小桜:山田真歩
 勝虎:大西礼芳
これはなかなかテーマ的にも取り上げづらいであろう大正時代の国家、政権に対して闘っていた人々を描いた189分の力作だった。

土俵に女を上げたらダメという、もはや現代人に洗脳されている価値観があるけど、江戸時代から昭和30年代まで女相撲という興行が日本に存在していたなんて、無知とはおそろしい。

現代の問題としても連綿と続く女性の自力の象徴的な存在として女相撲があるわけだけど、彼女たちは一人一人事情は違うけれど、自分の境遇から逃げてきた女性だった。
特に見ていてきつかったのは、関東大震災の際、デマのせいで朝鮮人に対する差別や拷問、殺害があり、なんとか逃げてきた十勝川関に対して向けられる憎悪と暴力が見てられなかった。ひどすぎる。こんなことあっていいわけがないのに、必ず日本では災害が起きるとこのような差別発言が出てくることに深い怒りが湧いてくる。

主人公の花菊も嫁いだ男から暴力とレイプまがいの暴力を日常的に受けている。
こんな狂った時代をもっと日本人は知るべきだ。もう繰り返してはいけないと深く思う。
作中で印象的なのは、捜索願いが出て警察に連れていかれる小桜が警察に帰ったら旦那にちゃんと頭下げろよって言われて、頭なんて下げないし、出てくるときに家に火をつければよかったって言ったときに、この非国民がーと言われて、"上等だよ、非国民!"って叫ぶシーン。
あとは十勝川関に元軍人が天皇万歳を強要するシーン。
きつい、きつすぎる。

ギロチン社の人々は理想はあっただろうけど、全然上手くいかない。
彼らの理想はわかるし、時より響く言葉はあるけど、やっぱり女相撲の力士たちより子供っぽい絵空事に見えてしまう。
アナーキズムはわかるけど、彼らが暴力以外の革命を考え抜いていたとは思えない。

歴史はいいときもあれば、悪いときもある。
悪いことは隠さず繰り返さないようにしなければいけない。
今がいいとは全く思わないし、問題は更に複雑に絡み合っているけど、私たちは学習しなければまたすぐにこんな時代になっていくような気がする。っていう感想。
すごい映画だった。相撲という日本の国技でありながら、女性がまわしを巻くことでここまでアナーキーと相性が良くなるとは思わず。途中で天皇陛下万歳と叫ぶシーンは忘れたくても忘れられないような鮮烈なものがあった。強くなることとはどんなことなんだろうか、今一度考えてみたい。
主義者と云われる結社の掠行為と自堕落な様、在郷軍人の大震災後の過剰行動と差別主義、朝鮮人と忌み嫌われる民の悪態と生きづらさ、
前半でパターンに則った描写があってそこまでは事象が綺麗な歯切れ、
後半は、主義者の若者の迷いと理想と極個人的な話への帰着、軍人会のレッテルが剥がれて自分達も自己否定との狭間で揺れていた脆さを吐露、朝鮮の人物も万歳と飲み込みつつも心では唾きして強い者を睨む、
ストーリーがわからなくなっていく。
「おら強くなりてえ」と言っていた主人公が、国体たる警察権力に角力で抵抗する。

演出も人物も脚本も時代の切り取りも尺も、挑戦的な意欲作
女も男も動いているようで全く動いてない みんなもがいていました、で済ますには長すぎる なんかやれ!脱げ!おっぱいみせろ!と思ってしまうな 観客みたいに 取って付けたような強くなりてぇ、は一体何のためなんか、殴る夫も退役軍人も好きな女を殺す世話役もクソ、でも変わりたいという意志の先が曖昧 面白くない訳じゃないけど、停滞してるから一番盛り上がったところは設定 地元のお堀が出てきて嬉しかったこともそういえば忘れていた 長すぎるんよ 全体的に小綺麗やった
あんな風に誰かを強く想うことが出来るだろうか。キスシーンが強烈。美しい。
3時間超の作品であり、長いとは思うが一つ一つのシーンが印象的で濃厚であるため間延びした感じは全く無い。発音や音響の問題もあるのかもしれないが台詞が聞き取れなかった点、音楽が台詞に被っていた点は少し残念だった。また、舞台に合わない現代の物が写り込んでいたが、映像よりも場所や話に重きを置いていたような気がしたので特に気にならなかった。女相撲とアナーキストが出会ったらというメインのストーリーに、女性や朝鮮人差別、シベリア行軍や当時の世相など多くの要素が並行しており、それぞれにフォーカスされているため良い意味で重い映画だった。その重さも相まって暴力のシーンが少し堪えてしまった。ギロチン社に関しては当時の革命を志した若者らしい良い加減さを感じたが、女相撲の仲間は普段は厳しかったり噂をしてはいるものの、いざとなると真に仲間を思っており格好良かった。
めっちゃATG感。
特に音の感じが印象的で、小屋の中でもごもごしゃべってるみたいなこもった音声と、それが別に気にならない感じが『竜馬暗殺』とか『祭りの準備』とか思い出させた。

震災後の混乱と、娯楽の規制、今のMeToo的な運動にもリンクするような女相撲という題材とそれをとりまく世界、労働運動に朝鮮人の人種差別まで描かれていて、まさに「今でしょ!」という感じ。
女相撲周りの一大叙事詩っぽい雰囲気も感じられて、『ブギーナイツ』とかも連想した。

女相撲の女性たちは全員似たような恰好をしていているのに、ちゃんと見分けがつく程度に人物が描かれているのも偉い。親方のキャラクターと彼のどこにも入れ込みすぎないようにしているそのスタンスも超好みだった。

対して、ギロチン社のクズども連中は描かれ方が弱く、スゲーきつかった天皇陛下万歳シーンの後に、仲間と再会して爆弾の実験をするシーンなどはそのせいもあってちょっとダレる。そういや、黒パンって何のことか分からなかったけど爆弾のことだそうです。

永瀬正敏がナレーションしていることも驚いたけど、花菊の夫役が『恋人たち』のあいつだということもびっくりしたー。

結局、暴力で女性が屈せられていく展開が観ていて辛く、そもそもその女性たちの真剣さを男どもが半笑いで楽しんている感じの嫌さが映画全体を覆っていて、その分、砂浜シーンの多幸感が異様に浮きだっていて、これがとてもよかった。
良かったんだけどうまく言葉に表せない!時代に逆らって生きていこうとする人々のたくましさ痛々しさがヒリヒリ伝わってきた 万歳の所辛い…
歴史知らなくてもある程度追えたけどもう一回ちゃんと勉強しようかなと思った

画面の色彩が美しくて字幕のタイポグラフィも音楽もかっこいい 明るい朱赤が印象的
タイトル文字も素敵だ 赤松陽構造さん覚えました
女相撲の美しさは神聖さすら感じた
終盤タイトルが出て終わるのかな?って思ってしまいその後が少し冗長に感じてしまったけど、遺体を折るシーンの無情さは良かった…

全員演技うまいなと思ったけど特に東出くんのハマりようが素晴らしかった…寝ても覚めてもと同じくらいハマってた

登場人物一人一人が魅力的でそれぞれの行く末に目が離せなかった 3時間全然いけた
ナレーション永瀬正敏だったのか 声かっこいい…
実際に女相撲というものがあることに驚いた。んー。良かったけどあやふやにしないで欲しいとこもあったかな。東出呆気なかったからな笑
>|