カタパルトスープレックス

座頭市千両首のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

座頭市千両首(1964年製作の映画)
3.9
二十六作品ある勝新太郎主演「座頭市」シリーズの第六作目。今回は再びお兄さん若山富三郎が登場。世界の映画ファンを震撼させた「子連れ狼」シリーズで頭のおかしい時代劇を作り上げた若山富三郎らしい役作りが見どころ😹クライテリオン版ボックスセット収録。

今回の監督は市川崑の助監督も務めた池広一夫監督です。撮影監督は日本を代表する映画カメラマンの宮川一夫。これまでの座頭市シリーズも絵は悪くないのですが、今回の池広一夫と宮川一夫による構図と絵はこれまでとは一線を画す格好良さです。すべてのショットがビシッ!ビシッ!っとキマる。

今回は赤城山に篭る国定忠治の話がモチーフになっています。それに加えて上納金に苦しむ村人と悪代官と手を組む悪いヤクザというほぼ時代劇のテンプレの上に構築されたストーリーとなっています。

しかし、なんといっても白眉なのは若山富三郎ですよ。座頭市のライバルとして登場するのですが、武器はムチ!ピシィ!ピシィ!と打つ。座頭市をムチで縛りつけて馬で引く。え?西部劇じゃないですよね?時代劇ですよね?若山富三郎にそんな理屈は通用しません。だって、ムチを打ちたんだもん。