座頭市関所破りの作品情報・感想・評価

座頭市関所破り1964年製作の映画)

製作国:

上映時間:86分

ジャンル:

3.4

「座頭市関所破り」に投稿された感想・評価

シリーズ九作目。埃舞う荒野に市がひとり佇むファーストショットは最高にキマっていたが、以降はやや殺陣少なめないつもの座頭市。サブプロットはエグいがもう少し溜めが欲しかったところ。雪中+除夜の鐘バックのクライマックス戦はエモい。それにしてもめちゃ楽しそうなポスターだな。
座頭市の武勇として有名な関所破り。続編には、彼の無頼漢さを示す噂話として「座頭市は関所破りまでした無鉄砲な奴だ」という台詞がよく出てくる。となれば見物はその関所破りなのか?!何か事情があって裏街道を通り抜けるのに難儀する話なのだろう。これまでも市は裏街道を旅していたが、この話の大胆不敵な関所破りが語り草となってひろまったに違いない。如何に座頭市と言えど、御上の管轄であるところの関所を敵にまわすのだから策を労するのではないか。それが見物なのだろう。
そんな風な話を想像していたのだが、例の如く座頭市が困っている人を助けるために身一つで関所に乗り込んでいって、最後には全員打ち倒すというマンネリズムという名の様式美が炸裂!まぁ、類型的な話であるし、今回のライバル役の平幹二朗も、TVドラマで人気だからとりあえず呼んでみましたっていう感じがする。
これをオーソドックスとしてみられるのは、浅井昭三郎脚本の巧みさか。本作では彼の父を名乗る男に出会うのだが、これに騙され裏切られるというのを描くことで、シリーズの底流に流れる座頭の哀感を手繰り寄せ定番のストーリーに深みを与えている。
今回はアクションがあんまりだった。平幹二朗が居合い抜きを決めたあと剣を鞘に収め損なっていて、それがそのまま使われている。
自分の父と重ね合わせていた老人に裏切られる市、悲しすぎる
殺陣が見事
シズヲ

シズヲの感想・評価

3.5
中期らしくユーモラスなシーンも少なくないが、今回は座頭市の哀愁もある程度とはいえ描かれているのがグッと来る。御来光を見に来ただけだった筈のいっつぁんが結局義侠心から人助けをしてしまって、そんな自分を嘆くように斬った悪党達へと言葉を吐き捨てる姿が印象的。父の面影を持つ老人との絡みや終盤の浪人との静かな一騎討ちも中々好き。
ファーストショットは結構良いのに後はもうずっとダメ。
かろうじて大映美術と撮影でもってる。
ヒロインの兄貴が死ぬとこはくだらないし、
折角の平幹二朗も末期の演出がダメダメ。
超極私的に雨、又は風から始まる映画は好き。あとラストが船も。メタファーが活きてくるので。紛れも無い鬼傑作!64年には三匹の侍も公開されており、平さんは完全に桔梗!しかもカラー!小道具も良い。邦画、そして時代劇らしからぬ音楽も。「最高ですか〜?」「最高でぇーす!」と1人コール&レスポンス
目は見えなくなっているが、かつて見た初日の出を拝もうと妙義山に出向く市(勝新太郎)。
そこで行方知れずの父親を探すお咲(高田美和)という娘に出会った。
しかし偶然、市はお咲の父親は土地の親分である甚兵衛(上田吉二郎)の悪事を江戸に上訴しようとする際き甚兵衛に雇われた新助(千波丈太郎)に殺されていた事を知る。
甚兵衛に命を狙われるお咲を市は逃すが・・・。

勝新太郎版劇場シリーズ第9作目。
ストーリー自体はすでにパターン化した模様(^_^;)
旅をしてそこで起きる事件を“正義の味方”座頭市が解決するという流れ。

今作は敵の用心棒役を演じる平幹二朗との対決が見もの。
ラストの一騎打ちは短時間ながら殺気が溢れかっこいい!
斬り合った後の見合って決着がつく間の長さが痺れます。
ま、ホントに見どころはそこだけ(^_^;)
勝新が忙しくなったのか、『悪名』等他作品の撮影スケジュールの合間を縫いまくって撮影したと思われ、シーン毎に勝新の髪の長さが全然違う。
老人・儀十と亡き父親を重ね合わせ、その裏切りに苦悩する市…
ドラマ的な見所はあるがいかんせん地味すぎる。
市のスーパー・モンスターぶりは相変わらずで物語もマンネリだが、エンタメのツボがキッチリ押さえられている。敵の用心棒である平幹二朗もクールでカッコイイ。子どもがプチ活躍するというプチ新機軸もある。だから退屈しない。そして何よりも(本作に限ったことでは無いが)、市にとっては、登場人物の誰もが旅先で知り合っては別れるゆきずりの相手に過ぎない、というのが羨ましくて良い。

いったい何故、人(というか自分)はこうも漂白に憧れるのか。「木枯らし紋次郎」は大好きだし「男はつらいよ」もフェイバリット。手塚漫画だったら「どろろ」だし、「ムーミン」で一番好きなのはスナフキンである。食べたいときに食べたい場所で食べ、寝たいときに寝たい場所で寝て、ゆらゆらとあてもなく彷徨う人々(百鬼丸の旅には目的があるが、目的地は存在しない)は、本当に愛おしいと思う。

多分それは、彼等が、ヒエラルキーやルールに組み込まれていない人たちだから。

本作において、関所に討ち入って役人を滅多切りにした挙げ句、多額の懸賞金のかかったお尋ね者になってしまっても、それが市の枷になることは無い。「兇状持ち」という市の設定が、ドラマを重苦しくしてしまうこともない。市は飄々として旅を続けるし、ドラマは快活に進行する。誰もが行きずりの一期一会である旅先では、「WANTED」のポスターは効果を発揮しにくいし、「お上」と「お尋ね者」というヒエラルキーから外れて生きる市にとっては、お尋ね者であることは自分の行動を束縛する要因にはならないからだろう。

つまり、組織や規範に縛られない彼等は、その庇護と引き替えに自由を得ている人達なのであり、私は、少しでもそんな存在に近付きたいと切望するワケである。
20170130視聴。冒頭、子供が好きな座頭市がつぶやく。「お天道様に恥ずかしくねぇなぁ子供だけかも知れねぇな」。何気ないセリフだが奥が深い。名主の娘役の高田美和が若くてかわいい。やくざの用心棒役の平幹二朗との一騎打ちが、直ぐには勝敗が解らずにうまい。(1964 Adventures.of.Zatoichi)
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